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アイドルは神姫を救う? 前編 あの試合から1ヶ月がたった。恒一はいずると話すことが少なくなり、毎日のように研究所に通っていた。 (恒一、シュートレイがやられたダメージが大きいのが相当ショックだったんだろう…) いずるは彼の姿を見て心配になっていた。 あの試合の後、シュートレイは集中治療室に運ばれた。一命を取り留めたものの、彼女の精神的ダメージは思ったよりも深刻だった。あれ以来、虚ろな状態で何も反応を見せなくなってしまったのだ。おそらく自分が破壊されるイメージが脳裏に焼きついて、トラウマになっているのだろう。日常生活もままならない状態なので、、シュートレイは今もリハビリを続けている。 今日も恒一は小百合の下へ足を運んでいるのだろう。いずるはそんな彼のことを気にかけていた。 「どうしたのいずる、そんなに深刻な顔して」 家に帰ってきたいずるを、ホーリーが出迎えた。彼女もそのことが心配でしょうがないのだ。 「恒一の事だよ、あの事件から急に元気がなくなってね」 「ああ、恒一のことか。それで恒一は今どうしてるの?」 ホーリーの質問に、いずるは少し落ち着いて答えた。 「小百合さんの研究所に通ってシュートレイの看病さ。どうやら回復が遅れてるみたいなんだ」 「シュートレイはもう傷は治ってるんだよね?それなのに、どうして恒一のもとに帰らないの?」 「それは、彼女の心が病んでるからなんだ…」 重々しい言葉を放ついずるを見て、ホーリーは少し寂しそうな顔になった。 「病んでるって、そんなに重病なの?だったらホーリーたちもシュートレイを元気付けてあげないと」 「そうだな、だったらあとでお見舞いにでも行こうか」 そのとき、玄関のチャイムが鳴った。 『すいません、宅急便です』 どうやら宅急便の人が荷物を届けに来たみたいだ。いずるは玄関に行って荷物をとりに行った。 荷物の送り主はいずるの実家からだった。その中身は米やラーメンなどの食料品や、衣類などの日用品だった。 「母さんの奴、こんなもの送ってくるなんて」 箱の中を一通り出し終わったいずるは、包装に包まれた箱があることに気付いた。 「あれ、こんなものが…」 どう見ても怪しい包装箱を、いずるは恐る恐る開けてみた。 「…これって、神姫か…?」 包装を取り除いた箱に書いてあるのは、『武装神姫』の文字があった。どうやら親は神姫も一緒に送ってきたようだ。 「どうしてうちの親が神姫のことを知ってるんだろう?」 いずるはその中身を開けてみることにした。その中身はアイドルタイプの神姫とその付属パーツ、起動ディスクとクレイドル、そして手紙が入っていた。 「ええと…何々…」 いずるは手紙を読んでみることにした。 『いずるへ、お前も一人では寂しいだろうから、最近はやっている友達ロボットを送る事にした。最初コレを見たときはビックリしたよ。何せ胴体がない生首状態だったんだから。慌てて胴体を買ってきて繋げたよ。でもまだ起動してないから安心して。あと起動に必要なものは出来る限り用意したつもりだから。このロボットがお前の生活に潤いを与えてくれる事を祈ってるからね。あと、年に一回でもいいからうちに帰ってきなさいよ。 母より』 「…」 いずるは暫くの間言葉が出なかった。その後我に帰ると、改めて母が送ってきた神姫を手に取った。 「相変わらず変わってるよなあ、母さんは。よく父さんが止めなかったもんだ」 さっそくいずるはパソコンに神姫を繋ぎ、起動ディスクを入れた。 「起動の仕方は小百合さんから教わってるから大丈夫だ」 いずるはもしものときに再起動できるように小百合から起動のノウハウを教えてもらっていた。そのため、初めての起動でもある程度のことは知っているのだ。 「よし、これで準備OKと…。さっそく起動させるぞ」 起動ボタンをクリックするいずる。すると神姫の目が少しずつ開いていった。 「…起動確認しました。始めまして、あなたがわたしのオーナーですね」 起動成功。続いていずるはオーナー認識のための手続きを始めた。 「そう、私は都村いずる。君のオーナーだ」 神姫はにこっと笑い、いずるのことをオーナーと認識した。 「それでは、わたしに名前を付けてください。あなたのお気に入りの名前を付けてくださいね」 いずるは悩んだ。名前を決めていなかったのだ。 「そうだな…、どうしようか…」 ホーリーの時は思いつきでつけたのでそんなに悩む事はなかったのだが、今回は状況が違う。いずるは悩みながら名前を考えた。 「…よし、きみの名前はミルキーだ」 いずるは彼女の名前を「ミルキー」と名づけた。かわいらしいと思ったからだ。 「ミルキーですね。登録しました。始めまして、わたしの名前はミルキーです。よろしくおねがいしますね」 やっと登録が終わった。これで彼女もいずるのパートナーになったのだ。 「ねえいずる~、もう入っていい?」 隣の部屋からホーリーの声が聞こえてくる。もう痺れを切らしているのだ。 「もういいよ。いま登録が終わったところだ」 登録終了を聞いたホーリーは喜んで部屋に入ってきた。 「ホーリーにも妹ができたんだね!やった~!!」 大はしゃぎするホーリー。それを見ていたいずるはホーリーに注意した。 「お前はこれからお姉さんになるんだから、見本になるようなことをしないとダメじゃないか。ほら、ミルキーが笑ってるぞ」 いずるが指差した先には、くすくすと笑うミルキーの姿があった。 「あ、ごめんね。つい嬉しくなっちゃって、こんなことしちゃった」 「いいえ、こんなに喜んでくれて、わたしも嬉しいです。これからもよろしくお願いします、ホーリーお姉さん」 ぺこりとお辞儀をするミルキー。意外と礼儀正しいのかもしれない。 「オーナーさんもよろしくお願いしますね」 「いずるでいいよ、ミルキー」 「では、改めてお願いします、いずるさん」 ミルキーはにっこりと微笑んだ。 それからというもの、いずるはミルキーの育成に全力を注ぎ込んだ。ホーリーも一緒にミルキーのお姉さんになるように努めた。 「ええと、これはヒーリングの効果があるんですね」 「ああ、これは回復効果がある能力だな。これで相手の神姫の精神的ダメージを回復できる、と説明に書いてあるな」 「あと、こちらの本のページにはアロマテラピーと書いてありますが、これはどのような効果があるのですか?」 ミルキーは順調に見たもの、聞いたものを吸収し、自分の知識や経験にプラスしていく。そのスピードはいずるも驚くほどだった。 「すごいね、ミルキーは。どんな知識も自分の物にしちゃうんだもん。ホーリーもそんな能力があったらいいのに」 うらやましがるホーリー。しかしミルキーはそんな彼女に励ましの言葉を送る。 「ホーリーお姉さんもいいところがあるじゃないですか。わたしにはできないことがいっぱいありますし」 「でも起動してそんなに経ってないのに、こんなに覚えちゃうんだからすごいよね。このまま行けばアイドルじゃなくてナースになったりして」 三人がお世辞を言い合っているとき、玄関のチャイムが鳴り響いた。 「お客さまですね」 「そうだな、ちょっと見てくるからここで待ってるんだぞ」 いずるは玄関に来て客を迎え入れた。 「やあいずる、久しぶりだな」 客は恒一だった。心なしか少し元気がないように見える。 「恒一、お前大丈夫か?」 「ああ、今のところはな…。今日は少しばかり気分転換したいと思ってね」 いずるは恒一を部屋へ招きいれた。中に入った恒一は見覚えのない神姫=ミルキーに注目した。 「お前、新しい神姫を購入したのか?」 「まあね、話せば長くなるけど…」 いずるはミルキーを手に乗せて、恒一に見せた。 「始めまして恒一さん、わたしはミルキーといいます」 「は、始めまして…俺は木野恒一。よろしく」 なぜか照れる恒一。彼女のかわいらしさにドキドキしているのかも知れない。 「ところで恒一、シュートレイの様子はどうなんだ?」 いずるがシュートレイのことを話題に持ち込むと、恒一の表情が曇った。 「それが…」 どうやらシュートレイは前と変わらない様子らしい。 「そうだ、まだ時間があるからシュートレイのお見舞いに行ってみようか?」 いずるの提案にホーリーとミルキーは賛成した。 「いこう、シュートレイのことが心配だし」 「わたしもシュートレイさんに一目会ってみたいです」 「よし、決まりだな。みんなでシュートレイのお見舞いに行こう」 元気のない恒一を尻目に、いずる達は神姫研究所へ行く事にしたのだった。 電車に揺られて数十分、いずるたちは町外れにある神姫研究所にやってきた。この隣には、神姫たちのメンテナンスや療養をする『病院』が隣接している。シュートレイは神姫研究所付属の病院に入院しているのだ。 「知らなかったな~、ここの隣に病院があるなんて」 「私もここの隣に新規の病院があるなんて、つい最近まで知らなかったんだ。何せ、規模が小さいからね」 さっそく中に入ろうとする一行だが、入り口で誰かに呼び止められた。 「あら、いずる君に恒一君。みんなでシュートレイのお見舞い?」 声の主は小百合だった。彼女も病院に出入りしていたのだ。 「小百合さん、こんにちは。これからシュートレイの様子を見に行こうと思って」 「そう、でも酷なことをいうけど、彼女の回復はかなり遅れてるから、暫くはこのままの状態が続くと思うわ」 少し残念そうに現状を語る小百合。その直後、いずるの肩に座っているミルキーに目がいった。 「あら、この神姫、ニューフェイスね。新しく購入したの?」 「始めまして小百合さん、わたし、ミルキーと申します」 すかさず挨拶するミルキー。それを見た小百合は感心した。 「あらあら、礼儀正しいのね。ところでこの神姫、どうしたの?あなたはあまり神姫のことが好きじゃなかったはずだけど」 「話せば長くなりますが…」 いずるはミルキーがどのように自分のマスターになったのかを説明した。 「あははははっ、そう、そんなことがあったの。さすがいずる君のお母さんだわ。自分の息子に神姫を送るなんて」 「しょうがないですよ、送り返したら何か言われそうですし。それに、もう一人増えても家族が増えるだけですから」 いずるの意外な言葉に、小百合は思わずふふんと鼻笑いした。 「いずる君、最初会ったときとは印象がまるで違うわ。これもホーリー効果、ってことかしら」 ちょっと意地悪げに言う小百合。 「そ、そうですか…」 「そう、それにしてもこのミルキーちゃん、結構賢そうね。やっぱりオーナーに似てるのかしらね」 ミルキーをまじまじと見つめる小百合。 「それで、この子の成長ぶりはどうかしら?上手くいってる?」 「はい、いつも借りてきた医療関係の本などを一生懸命読んでます」 ミルキーの急激な成長振りを説明するいずる。そのとき、急になにかがひらめいた感じになった小百合は、いきなりいずるに話しかけた。 「そうだ、シュートレイに会う前にちょっと研究所に寄ってほしいの」 「研究所って、どうしてですか?」 「いいから、ちょっと説明することがあるのよ」 小百合はいずる達を無理やり研究所に引き込んだ。 「で、何をするつもりですか?」 「さっきミルキーが医療関連の本を読んでたと言ってたわね。もしかしたら彼女に精神医療の知識があるんじゃないかしら」 「でも、読み始めてからまだそんなに時間が経ってませんし、もしあったとしても、治療なんてできるかどうか…」 「まあ、これを見てからでも決めるのは遅くないわ」 小百合は引き出しの奥から小さい箱を取り出した。 「これは…、何ですか?」 「これは精神医療用の『ヒーリングバトン』といってね、神姫や他のロボットの精神を安定させる、いわば『精神安定器具』といったものね」 これを見た恒一はすぐさまバトンの側に近づいた。 「どうしてこれがあるのを黙ってたんだよ?」 「これは普通の神姫では扱えないの。使い方がシビアだから、ある程度医療関係の知識がないと使えないのよ」 ミルキーはバトンが入った箱の近くに近づき、バトンをじっと見つめた。 「いいんですか、わたしがいただいても?」 「それを持つかどうかはあなた次第よ。もしバトンを持つつもりなら、あなたの能力を借してほしいの」 小百合はバトンを取り出した。 「…どういうことなんですか?」 ミルキーの質問に、小百合はこう答えた。 「いずる君から聞いた話だと、あなたはある程度だけど医療関係の知識を身につけてるようね。それに加えてあなたの能力は回復系、つまり癒しの力があるから、相性は抜群なのよ。だからお願い、シュートレイを助けてあげて」 ミルキーは暫く考えてから、答えを出した。 「分かりました、わたしにしかできないことならばやって見ます」 「それじゃあ、これを使えばシュートレイはもとに戻るんだな?」 再び割ってはいる恒一。しかし小百合は少し心配そうに答えた。 「恒一君、たとえ元に戻らないとしても、後悔しないことを約束できる?この作業はとてもシビアで、たとえ直ったとしても、完全に戻る確率は5割にも満たないわ。最悪の場合、リセットしなければいけないかもしれない。それでも彼女を救う気持ちはある?」 小百合の質問に、恒一は静かに、しっかりと答えを出した。 「ああ、よろしく頼むよ」 つづく もどる 第十一話へGO
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「ある日」 この町に来てから三週間が過ぎた。 アタシがこの町に居られるのも、後一週間と少しだけ。 なのにすっかり当初の目的なんて頭の中から無くなり、アタシは今日も公園の木陰で彼等が来るのを待っている。 それにしても暑い。 木々の陰により和らいだ熱の下にありながらも、それでも暑いと感じるのだから日向に居る人たちにはさぞ暑いことだろう。 もう暑いじゃなくて、熱い。 温暖化も二十一世紀初頭に比べればその悪化具合もだいぶ緩やかになってはいるけど、それでもその傾向がマイナスに転じてはいない現在。亜熱帯と化した日本の夏はけっして住み良い環境ではない。 空気が流れた。 体にまとわり付いた汗が、その風に反応して体の熱をほんの少しだけ、奪い去る。 そしてその風と共に、待ち人がいつもの様に現れた。 「また、居たのか。案外お前も暇だねぇ?」 開口一番、憎まれ口を叩くこの男に、会いたくて堪らないのだと自覚したのはいつだったか? 「なんだか今日はどっかのお姫様みたいな格好だなっ!」 今まで自分とは遠くにある存在と思っていた小さな少女も、こんなにも愛おしく感じる。 「こんなに暑いと、スカートだってはきたくなるの。それに帽子だけじゃこの日差しは遮れないでしょ!」 今日のアタシのいでたちと言ったら、フリルのあしらわれた薄手の白いワンピースに白い日傘と、一体何時代だよ! って突っ込みを入れたくなるくらいの時代錯誤な格好だった。 正直照れくさい。 「あぁ~あ。口さえ開かなきゃ、深窓の御令嬢でも通じるのにな」 意地の悪い笑みで男は言う。 「ちょっとー。いくらアタシでも傷つくぞ」 「でもカワイイじゃんかー。ちょっと憧れだぜっ!」 「まて、お前がこんな格好したらそれこそ喋るな! って話になるぞ」 「おう! それはこの刹奈ちんがとってもカワイイって言ってるんだよなぁ?」 かわいい仕草をし、しかしその仕草を台無しにする口調でその小さな神姫は問う。 「だから色々台無しなんだよお前は」 深々とため息をつく夢絃を見て、アタシは思わず大きな声で笑ってしまった。 「……ここにも台無しが一人」 失礼だぞ! 「やっぱり今日もあの時みたいなのは起こらないね」 ヴァイオリンを弾き終えた夢絃にアタシは言った。 「あれって、結局なんだったんだろうなー」 アタシの方に跳ねて来た刹奈は、そう言うとアタシの肩に腰を下ろす。 「ね……ねぇ、体少し熱いけど大丈夫?」 刹奈の座ったアタシの肩が、少しだけ熱を感じる。 「だーいじょうぶなのさー。外気が熱いから、ちょこっとだけ廃熱がままならないだけ。今日も一生懸命踊ったもんなー」 そう言うと刹奈は花が咲くような笑みをアタシに向ける。そして小さな声で「アリガト」と言った。 「あぁ! もう! 刹奈ちんはかわいいなぁ」 もうホント抱きしめたい! ……肩に座っている神姫を抱きしめるのはムリだけど。 「……なんだかんだでお前も結構神姫好きになってきたよな」 ヴァイオリンを丁寧に片付けて、夢絃はそれとは別に持ってきていたリュックを開ける。 「これ、やるよ」 そう言ってそのリュックから取り出した箱を、アタシに差し出す。 「ちょっ……!」 どう見てもそれは武装神姫のパッケージで。 いくらアタシが神姫に疎いからといっても、これが高価なものである事くらい知っている。 ……親友であるセツナのおかげかもしれないけれど。 「こんなの受け取れる訳ないじゃん!」 勢いよく立ち上がってしまう。肩に座っていた刹奈が振り落とされまいとアタシの髪にしがみついた。 「ちょっ! 待てって。……夢絃! 話がいきなりすぎなんだって!!」 「あ? あぁ、確かにそうか」 「朔良もさ、とりあえず話だけでも聞いてよ。判断はそれからでも遅くないだろ?」 刹奈のその言葉に促される形で、アタシは静かにまた座っていたベンチに腰を下ろす。 「えっとな、実を言うとコレ、余りモンなんだ。でもさ、中古屋とかには売りたくねーし、ネットオークションなんて言語道断。だったら俺が気に入った、神姫が好きそうな奴に譲りたいって思ったんだよ」 「余り物って…… それでもこんな高価なもの貰えないよ」 アタシの覚え違いじゃなければ、神姫一体でPC一揃えが購入できるはず。そんな物を「貰えてラッキー♪」とか簡単に言えるほど無邪気じゃない。 「でも、俺はお前に……『朔良』に貰ってほしいんだ」 真剣な眼差しで、まっすぐにアタシを見て、そして初めてアタシの名前を呼んで―― そんなのズルイ。そんなことされたら、絶対に断れない。 「う、ん。……わかった」 熱くなる顔を隠すようにうなだれて見せる。 上手くごまかせたかな? そんなアタシの心配をよそに、夢絃はアタシに一歩近づく。 そして少しだけかがんで、アタシの傍らに神姫の箱を置いた。 「それならさ、明日駅前で会わないか? ここじゃセットアップ出来ないから、神姫センターにでも行こう」 「え? そんなに急がなくても……」 アタシはそう言って顔を夢絃に向けた。 その途端に―― 夢絃の唇で、アタシの口が塞がれる。 それは本当に僅かな瞬間で。 直に立ち上がった夢絃はくるりとアタシに背を向ける。 「明日十時に駅前の広場で。……遅れるなよ」 と言うと振り向きもせずにそのままリュックとヴァイオリンケースを持ち上げる。 「にししししー☆」 耳元で刹奈は笑うと、そのままアタシの肩から飛び降り、そのままの勢いで夢絃の元へ走る。 そんな二人をアタシはただ真っ赤になって見送る事しかできなかった。 そのアタシの手元には、MMS TYPE DEVILと書かれたパッケージが残されていた。 戻る / まえのはなし / つぎのはなし
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与太話10 : TVアニメ化に喜ぶ戦乙女 雨上がりの朝、濡れた草木が朝日の光を乱反射させ、教室内をいつもよりも明るく照らしている。大学までの道も輝いていた。ガードレールも輝いていた。エルにとって今日はとにかく、何でもかんでも輝いていた。 大学で顔を合わせるなり姉妹二人はこみ上げてくる気持ちを抑えきれず、抱き合わずにはいられなかった。 「メル!」 「エル姉!」 ぶつかり合うように胸を合わせ、エルはメルを抱え上げて振り回した。ジャイアントスイングのように。そしてやはりジャイアントスイングのように手を離し、メルを放り投げてしまった。危うく机の上から転げ落ちそうになるメルだったが、縁にしがみつきながらもゲラゲラ笑いが止まらなかった。メルを引っ張りあげたエルは、またメルと抱き合った。 「TVアニメ化ですよメル!」 「TVアニメ化だねエル姉!」 「アルトアイネスが登場しますよメル!」 「アルトレーネが登場するねエル姉!」 窓から差し込む光に照らされた机の上を、戦乙女の姉妹はしばらくもつれ合い転げまわっていた。二人のオーナーは前日からはしゃぎっぱなしだった二人を見ていたので、羽目を外していても苦笑するだけだった。姫乃も鉄子も、発狂に近い喜び方をする二人に水を差す理由はない。一緒に喜ぶわけではないが、微笑ましいものを見るような目をしていた。 騒がしさに何事かと集まってくる学生を相手に、エルとメルは自分達の姿がアニメーションとなってテレビに映ることを嬉々として説明した。相手が武装神姫に興味があろうがなかろうが関係なかった。喜びを押し付けるように笑顔を振りまいた。 MMSの存在を知らない学生相手に、エルは天使型と悪魔型と一緒に並ぶことがいかに破格の扱いであるかを説いて回った。これまで武装神姫コンテンツの看板を必ず飾ってきたアーンヴァルとストラーフ。つまり二人は最初期の神姫にして永遠の主人公とも言える。その他多数の神姫達の頭を押さえて、その主人公らの隣に立つアルトレーネとアルトアイネス。キュートなラフ画。ハーレムとバトルを予感させる解説は、神姫として在るべき姿になることを示している。これからの武装神姫を背負って立てと言われたような気がして、しかしエルは重圧以上に天にも昇る気持ちに包まれていた。メル共々、浮かれポンチだった。 二人の背中にコールタールを塗りたくるように向けられたドス黒い視線に、エルとメルは気づけなかった。 ◆――――◆ 大学から帰宅するなりオンライン上の茶室に呼び出されたエルは、コタマが渋い顔をしている理由に思い至らなかった。メルも隣で困惑している。四畳半の真ん中に置かれたちゃぶ台の上には、脱ぎ捨てられたヴェールと十字架があった。エルには、レラカムイの矮躯を包む修道服がいつもより黒く見えた。 「そこに座れ」ちゃぶ台の反対側をコタマが指差し、エルとメルはそこに座った。 「先に言っとくけどよ、アタシは別に嫉妬してるわけじゃねぇんだぜ? 分かるだろ、体はレラカムイでも主に仕えるこの気持ちはそう簡単に無くなるわけじゃねぇ」 「はあ」と気のない返事をするメル。 「アタシら神姫は主の前では謙虚であるべきだ。型番を与えられた日やらモチーフに貴賎はねぇ。主の前ではすべで平等だ。違いがあるとすれば、どれだけ主にゴマすったかどうかだけだ」 「コタマ姉さんが何を言いたいのか、これっぽっちも分かりません」 行儀よく正座したエルに向かって、コタマは大きなため息をついた。一週間分の呼吸に使う空気を吐き出したようなため息だった。これには機嫌の良い戦乙女姉妹も不快感を示さずにいられなかった。 「人を呼び出しといてその態度はないんじゃない? 親しき仲にも礼儀ありって言葉があるでしょ」 「そうですよ。あのマシロ姉さんですら線引きはちゃんとしてるんですからね」 「マシロね……オマエら、クーフランの名前を出すわけだ」 机の上の十字架を手に取ったコタマは意味も無くそれを天井の蛍光灯にかざした。磨き上げられた金色が、今朝の露のように輝いた。 「オマエら、マシロ以外のクーフランを見たことあるか?」 考える間をおかず、エルとメルは頭を振った。コタマは二人を嗜めるように言った。 「そうかよ。じゃあもう一つ聞くぜ。そんなマシロの前でTVアニメ化の話をすることは酷いことだと思わねぇか?」 エルは頭をハンマーで殴られたような衝撃に襲われた。確かに今日は朝から、マシロはいつにも増して沈黙を守っていた。思えば、戦乙女がアニメに出るということは、他の神姫が登場する機会を奪ってしまうことになる。アルトレーネより早く生まれた神姫は多い。クーフランはさらに古参と呼べる神姫になる。出荷数も全然違う。 何も言わないマシロを無思慮な振る舞いで傷つけていなかったか、エルは頭を抱えた。鋼よりも強い芯を持つマシロとはいえ、アニメに登場するからといって無思慮にはしゃぐエルを間近で見せつけられて不愉快でないわけがない。かつて自分も含めたアルトレーネ達は再販が決まらなかったからと神姫センターで大暴れしたではないか。あの時のすべてを破壊し尽くしたくなる衝動を他人に押し付けていいわけがない。 「私、マシロ姉さんになんてひどいことを」 メルも同じことを考えていたらしく、申し訳なさそうに視線を落とした。 「ボクも……TVアニメ化されて少し、調子に乗ってた……」 「やっと分かってくれた?」コタマは修道服を脱いだ。修道服がスイッチになっているのか、言葉がいくぶん柔らかくなった。 「アタシもちょっとキツいこと言ったかもしれないけどさ、二人には落ち着きってものを知ってほしかったんだよ。うん、でも分かってくれてよかった。いや本当。じゃあ一応のケジメとして、ゴメンナサイしとこうか」 エルとメルは素直に頭を下げようとした。神妙な顔をして、背筋を伸ばして頭を5ミリくらい前に倒したところで、二人同時に同じことに気がついた。 「ちょっと待って下さい。どうしてコタマ姉さんに謝らなきゃいけないんですか」 「そうだよ。謝る相手はマシロ姉でしょ」 コタマは目を逸らした。 「そ、そんなの決まってるじゃない。アタシはマシロと一緒に住んでるんだし、代わりに二人の謝罪を聞いとこうって」 「マシロ姉さんをここに呼んでくれればいいじゃないですか。そしたら私たち、ちゃんと謝りますよ」 「そうだそうだ。そもそもマシロ姉なら、こんな回りくどい謝罪なんてされたら逆にキレるに決まってるじゃん。一緒に住んでるコタマ姉ならそこんとこよく分かってるでしょ、なのにどうして――」 そこまで言ったメルだったが、「――あっ」と何かに気づいた風に見えるや、口をつぐんでしまった。顔が申し訳なさそうなものに戻った。 「どうしたんですかメル」 「えっと、やっぱりコタマ姉に謝ろうよ」 「嫌です! 意味もなく謝るなんで戦乙女がやっちゃダメです!」 「いいからほら、ね。ここは頭を下げなきゃいけないとこだよ。……レラカムイ相手にさ」 「うぐっ!?」とコタマが唸った。 エルはようやく、レラカムイがクーフランと同じくコタマ以外に見かけないことに思い至った。鉄子さんはいったいどこからレラカムイを見つけてきたんだろう、と疑問に思ってしまうほどだった。決して貶したいわけではない。ただ事実として、レラカムイの絶対数は少なかった。 「ま、待った待った二人とも。アタシは別に」 「ごめんコタマ姉。ボク達、コタマ姉の気持ちを全然考えてなかった」 「だ、だからアタシは別に」 「今までタマちゃんとか呼んでごめんなさい。コタマ姉さん、悲しいことがあったら私達に何でも相談してください。無力ですけど、きっと力になれますから」 「謝るんじゃねえ! アタシをそんな目で見るんじゃねえ!」 「私、コタマ姉さんの気持ちはよく分かりますから。アルトレーネも昔、『不人気』って言われたことありますし」 「どういう意味だコラァ! つーかテメェ今さりげなく不人気のことを過去形にしやがっただろ!」 「えっ? それはだって、アニメに大抜擢されましたし」 「ブッチ殺す! オマエ絶対ブチ殺してやらああああああ!」 ◆――――◆ ステージに立つなりエルとメルは、コタマ操るセカンドの銃弾の奇襲を受けた。 「エル姉隠れるよ!」 掠るだけでも体が抉られるほどの脅威を、二人は十数階建てのビルの影でやり過ごした。以前も同じようなシチュエーションがあったな、とエルは思った。あの時は確か、神姫の漫画が発売された時だった。漫画の中でアルトレーネが目立ちに目立って、メルと力を合わせてコタマを倒そうとした。しかし漫画の中にハーモニーグレイスの『ハ』の字も無かったことにキレたコタマに、二人のコンビネーションはまったく歯が立たなかった。 「今度は前と同じようにはならないよ」エルの手を引いたメルが言った。アルトアイネス専用の黒い武装脚とスカートを装備し、副腕の代わりにエルを包んでいるのは吸血鬼が着ていそうなボロボロの赤いマント。スカートの中には大量の武装が隠されている。隠し武装のバリエーションは、貞方にもらわれたばかりの時とは比べ物にならないほど充実している。姉であり頻繁に手合わせをするエルでさえ、そのスカートの中身をすべて把握することはできなかった。ビルの中を走る間も、メルはスカートから小型の爆弾をいくつも取り出し、そこら中に設置していった。 「ボクもエル姉も、もう昔とは違う。まだまだコタマ姉のほうが圧倒的に強いけどさ」 「私達にだってプライドってものがあるんです。メル、意地でもコタマ姉さんに一泡吹かせますよ」 ハイタッチを交わした二人は、別の方向へ走り出した。メルはそのまま一階の奥のほうへ。エルは階段を駆け上がっていった。メルがビルの端まで到達して身を隠したあたりで、入り口のほうの爆弾が炸裂した。続けていくつかの爆弾も、爆竹のように次々と爆発していく。コタマが入ってきたことを告げる爆発だ。事務所を模したフロアは机や椅子、棚などがいくつかの島を作って並べられていて、爆発した箇所にあったものが吹き飛んでいく。 「オマエらよぉ、まさかまたビルん中から仕掛けてくるんじゃねぇだろうなあ。もう同じ手は食わないとか思ってるんだろうけどよ、それはアタシだって同じ事なんだぜ?」 コタマが階段に足をかけると、進路を塞ぐように多数の浮遊機雷が発生した。コタマは慌てることなく下がり、爆発をやり過ごした。爆風で階段が吹き飛び、上階との道が途切れた。 「上がるなって意思表示か? アニメに出る奴はアタシに命令できるほど偉くなんのか? エル! メル! どっちかまだ一階に残ってんだろ! 隠れてないで出てきやがれ!」 しかしメルの影は姿を現さず、代わりにコタマが進む分だけ爆発が起きた。爆発は小規模だが、数が多い。コタマは数歩歩く度に爆発を回避するために下がらざるを得なかった。ビルの中心部あたりまで歩くのに少々時間がかかった。 「クソッ、このウザいトラップはメルの奴だな」 「ボクを呼んだ? コタマ姉」 メルは唐突に姿を表した。コタマからは離れた場所、少なくともファーストの攻撃範囲よりも僅かに外に立った。メルの両手にはそれぞれマシンガンが握られていた。コタマのセカンドの対物ライフルと比べると、あまりに頼りなく見えてしまう。 「いい度胸してんじゃねえか。一応聞いとくけどよ、エルも近くにいるのか?」 「いないよ」とメルがやけにあっさりと答えたため、コタマは怪訝な顔をした。 「アタシを出し抜きたい気持ちは分かるけどよ、もっとマシな嘘つけよ」 「嘘じゃないって。本当だよ。じゃあ証拠に、ここらの爆弾を全部爆発させようか」 「ああん?」 「エル姉は、というか普通の神姫は至近距離の爆発を回避したりできないから防御装甲が分厚くなるんだよ。だからもし軽装のエル姉がこの近くにいたら、爆発に巻き込まれて大ダメージを受けることになるよね」 「何が言いてぇんだ?」 「そのまんまの意味だよ。エル姉がいないことを証明するために、今から残った全部の爆弾を爆発させるんだ」 メルはおもむろに両手のマシンガンをコタマではないほうに向けて撃ち始めた。弾が当たった爆弾が爆発し、メルのマントを揺らした。ひとつ爆発するごとに土煙が巻き上がり、コタマとメルの視界を遮った。 (爆発で破片を飛ばしてくるでもなし。煙幕が目的? いや、メルの位置はマシンガンの火で丸わかりだし)ファーストとセカンドに防御の姿勢をさせて、コタマはじっと様子を見た。しかしマシンガンの火が唐突に向けられるわけでもない。メルはただ自分が仕掛けて回った爆弾をヤケクソに爆発させているだけにしか見えなかった。土煙の向こう側で、マシンガンがひっきりなしに弾を吐き出し続けている。 (わざわざ仕掛けて回ったのを意味もなく爆発させて何を――――いや、【仕掛けて回る】?) コタマが動いた。メルの姿は既に目視できなくなっており、セカンドにおおよその位置を撃たせた。セカンドの銃声で一旦マシンガンの音が止まったが、再び鳴りはじめた。それでコタマの疑念は確信に変わった。 「ビルを崩壊させる気かよ!」 メルを置いてコタマは外に向かって走り出した。それを合図にしたかのように、天井の崩壊が始まった。机や瓦礫を飛び越えながらコタマは舌打ちした。 「あの爆弾は柱を壊すためだったのかよ! クソッ、アタシとしたことがどうして気づけなかった!」 地鳴りのような音がして、床との間にあるものすべてをプレスするように天井が落ちてきた。メル自身も恐らく逃げられないだろうが、コタマに確認する余裕はない。壁を突き破るためにファーストを先行させてガントレットを繰り出した。コタマが通れるだけの穴を開けさせるつもりで叩き込んだ打撃は、しかし、壁を粉々にすることができても、大穴を開けるには至らなかった。天井がコタマの頭上僅かまで迫る。一か八か、僅かに空いた隙間に頭から飛び込んだ。膝から先が崩落に巻き込まれた。足が使い物にならなくなるよりも、ビルの一階外側部分に張り巡らされていたワイヤーに気を取られた。 濁流に巻き込まれるように、コタマの軽い体は転がっていった。幸いなことにビルが崩壊する方向はコタマが飛び出した側とは逆だった。隣に立っているビルに寄りかかるように倒れ、そのまま自重を支えきれずに真ん中から折れて崩れていった。 「ゲホッ、う、うう……」 さすがのコタマも無事では済まなかった。瓦礫に寄り添うように、道路に仰向けに倒れていた。千切れた足だけではなく、全身を襲うダメージに顔をしかめた。ファーストとセカンドはビルの下敷きになっている。 「っ……久しぶりに、本気で神に祈りたい気分だぜ」 「ではそのまま祈ってて、動かないでください」 エルが空から降らせた言葉に、コタマは心底驚いた顔をした。せっかくメルに借りたワイヤーを仕掛けて待っていたのに忘れられちゃ困る、と思ってエルは、コタマに向かって頭から落下しながら、二振りの剣を構えた。 「『スカーレットデビル』――これで最後です!」 「ざけんじゃねぇ!」コタマは最後の力を振り絞って、右手の十字架からエルに向けて糸を伸ばした。左手は動かなかった。接続された糸が制御系統を奪い、エルの右手が意思に反して刃を自身の胸に向けた。 「『FTD3』だ自決しやがれぇ!」 「その前に死んでください!」 エルの加速に乗った剣と、自身の胸を貫こうとする剣。コンマ一秒が何秒にも引き伸ばされたような感覚だった。エルは時間が意味をなさなくなる中で、二つの刃が同時に目標に沈んでいくのを見た。 ◆――――◆ 茶室に戻ってからしばらく、エルとメルは言葉を失っていた。 「なんだよアンタら、何か言いなさいよ」 修道服を脱いだコタマにそう言われ、戦乙女の二人は顔を見合わせた。 「だって、その」 「ねえ?」 エルにはまだ【さっきのこと】が信じられなかった。メルも同じ顔をしているから、同じことを考えているのだろう。勝つために戦っていたし負けるつもりもなかった。しかし頭の片隅では、二人がかり程度では絶対に勝ち目がないと考えていた。それほどまでにレベルが違う。努力でどうになかる高さではない壁がある。悔しいとすら思えなくなるほどコタマとの差を認めてしまっていて、それはエルに限らず、『ドールマスター』を知る誰もがそうだった。 「でも、引き分けました」 「『ドールマスター』と引き分けたね」 「すごいこと、ですよね」 「すごいこと、だよね」 「自慢、できますよね」 「TVアニメ化くらい自慢できるね」 「は……」 「ははは……」 「「あっはははははははははは!!」」 たまらずエルとメルは抱き合った。ちゃぶ台を蹴飛ばして四畳半の上でもつれ合った。棚に背中をぶつけようと、花瓶をひっくり返して頭から水をかぶろうと二人は構わず、今朝の大学を再現するように転げまわった。じゃれ合う肉食動物の子供のような二人を、部屋の隅でコタマは冷めた目で見ていた。 「引き分けでそんなに喜ばれても……アタシはどんな顔すればいいの?」 顔をくっつけて笑い合う二人が答えてくれるはずもなく、大きなため息をついたコタマは茶室から出ていった。残された二人はその後も転げまわり、茶室の備品をひとしきり破壊してようやく転がるのをやめた。 「ふう……あれ? コタマ姉さんがいませんよ」頭からかぶった花瓶の水を切りながらエルが言った。 「もう帰ったんじゃない? ボク達も帰ろうよ。ショウくんとハナ姉に報告しなきゃ。きっと驚くよ~」 エルは落ち着いてあたりを見回して、ちょっと浮かれすぎたと反省した。データだからいくら備品を破壊しても問題ないとはいえ、これではTVアニメ化されるに当たって全国に姿が流れる戦乙女として恥ずかしい。メルの言う通り、早く退散したほうがいい。茶室の扉を開こうと手をかけようとしたその時、自動ではないはずの扉が勝手に開いた。扉の向こうには白銀のスレイプニルが立っていた。 「まだ残っていたのですか。コタマが戻ってから随分時間が経ちましたが――なんですか、この部屋の有り様は」 エルとメルの後ろを覗きこんだマシロは、茶室のあんまりな荒れ模様に顔をしかめた。 「まあいいでしょう、茶室に用はありません。二人とも、すぐにバトルの準備をしなさい」 「ちょ、ちょっと待ってよマシロ姉。いきなりバトルって言われても、ボク達さっきコタマ姉と」 「引き分けたと聞いています。コタマが珍しく難しい顔をしていたので、お二人の戦い方が気になったのです。あと一戦はできるでしょう」 冗談じゃない、とエルは言いたかった。せっかく良いことが続いて今晩は幸せ気分で眠れそうだったのに、『ナイツ・オブ・ラウンド』を相手にしてしまったら必然的に黒星がついてしまう。仮にコタマの時のように作戦が上手くいったとしても、倒壊したビルの中から無傷で出てくるマシロの姿が目に浮かんだ。 「わ、私達ちょっと用事がありまして。ではこれで――」 「待ちなさい」とマシロは横を通り抜けようとする姉妹二人の首根っこを捕まえた。 「離してマシロ姉! やーだー戦いたくない!」 「つれないことを言わないでください。お二人にはアニメに抜擢された祝辞を伝えなければなりません」 「い、いえ、気持ちだけで十分です」 マシロは聞かなかった。 「おめでとうございます。これで戦乙女型は多種多様な神姫の中から頭ひとつ飛び出したわけですね。喜ばしいことです。それはそれとしてコタマから聞きました。コタマの聞き間違いの可能性も否定できませんが――」 たっぷり時間を置いて、まるで別人のように冷たい声で言った。 「クーフランを哀れんだそうではないですか」 「ち、違います! 私達そんなつもりはありません!」 「誤解だよ! コタマ姉が変なこと言ってるだけだってば!」 「言い訳は戦場で聞きます。天使や悪魔と肩を並べるほどの大抜擢ですから、お二人が少々目線を高くしたとしても、私にそれを咎めるつもりはありません」 「咎めるつもり満々だよね!? バトルで八つ当たりする気満々だよね!?」 「謝りますから! 謝りますから勘弁してください!」 「謝罪などする必要はないではありませんか、何も間違ったことはしていないのでしょう。それにしても楽しみですね、主役級となった戦乙女殿との勝負。これから全国に剣を振るう姿が放送される戦乙女殿と予め手合わせできるなど、身に余る光栄ではありませんか」 楽しみと言いつつ、マシロの顔で笑っているのは口元だけだった。深いエメラルド色の瞳は遠くの別のものを見ていた。暴れるエルとメルに殺気のようなものを飛ばして静かにさせて、二人をステージまで引きずっていった。尻で床を磨きながらエルは、これを期に戦乙女が再々販されることを少しだけ願った。 やはりISと似たような感じになるんでしょうか。 メカ、少女、スタッフまで同じとのことで。 ううむ。 15cm程度の死闘トップへ
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戦闘回数が増えていくと追加されるキャラもいるので とりあえず、今戦える相手の装備を全部ひっぺがす位(5〜6回)の勢いで戦っていけば 特に問題なく戦える相手も増えていきます。 「1対1」 「1対2」または「1対3」 のハンデ戦 「1対1」初登場はゲームセンターで1回戦闘のみ。本編クリア後の継続プレイで常駐する 「1対1」メインストーリーにからむイベント戦1回のみ。 初期~ F3クラス制覇~ F2クラス制覇~ 初期~ マスター 神姫 神姫タイプ 元ネタとか攻略情報とか 柴田勝シバタ マサル プルミエ アーンヴァルMk.2 おそらく多くのプレイヤーが最初に戦う相手。神姫名の「プルミエ」は「最初」を意味するフランス語「プルミエール」からだと思われる。戦国から江戸にかけて家名を残した「柴田氏」が「勝」の字を代々使っているまた格闘技にも「柴田勝久」「柴田勝頼」の親子がいるバトルロンドのNPCでも「まさる」「プルミエ」が登場 小早川千歳コバヤカワ チトセ リリス ストラーフMk.2 勝利後F3①予選解禁バトルロンドのNPCでも「ちとせ」「リリス」が登場 姉崎静馬 ナギ ハウリン 三毛屋ベンガルミケヤ ベンガル コモモ マオチャオ 「よーしよしよしよし」…漫画「ジョジョの奇妙な冒険 第六部」のキャラクターグェスの台詞のパロディ 柏葉剣 ルーデル ゼルノグラード 第二次大戦時のドイツ空軍の爆撃王(兼エース)ハンス・ウルリッヒ・ルーデル大佐及び彼が受賞した黄金柏葉剣ダイヤモンド付騎士鉄十字章から 山中美幸 ライラ アーンヴァルMk.2 赤橋瞳子アカハシ トウシ ハヤテ ハウリン 足利尊氏の妻 赤橋登子(あかはしとうし)? 津軽冬至 雪華 フブキ メールで対戦可 勝利後自宅でフブキ解禁 足利崇文 紅葉 マオチャオ 勝利後F3②予選解禁「兄様がまともに戻るまで、殴るのをやめないっ!!」…漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の主人公、ジョナサン・ジョースターの台詞のパロディ室町幕府初代将軍 足利尊氏? シルバー・クレイ マリー アーンヴァルMk.2 「私達はようやく登り始めたばかりなのデース、この果てしなく遠い神姫坂を」漫画「男坂」のラストのパロディ 犬童太 ハナ ハウリン 軍曹 三等兵 ゼルノグラード 映画「フルメタル・ジャケット」に登場する鬼教官、ハートマン軍曹とその部下神姫名の元ネタは漫画「ロボット三等兵」から? 真紅女帝総長 沙耶香 アーク メールで対戦可難関その1 沙耶香を倒すと戦う気が無くなる勝利後ショップでアーク解禁「女帝」は英訳するなら正しくは「エンプレス」なのに真紅女帝(クリムゾンエンペラー)と呼ぶのは、コナミシューティングゲーム、エアフォースデルタの作戦名からアーク型曰く「珍走団」←徒党を組んで道路交通法違反を繰り返す集団のこと「203高地に挑む」中国にある丘陵で日露戦争の重要拠点 真紅女帝副長 亜里沙 アーク 真紅女帝見習い 香里奈 アーク ダリル・ブレナン ドロシー ハウリン 吉川素子 アローズ マオチャオ 猪苗代孝実イナワシロ タカミ ふゆなぎ ゼルノグラード 春夏冬 あきな アーンヴァルMk.2 「商い中」の古い(言葉遊び的な)表現「春夏冬中」→「あきな」 F3クラス制覇~ マスター 神姫 神姫タイプ 元ネタとか攻略情報とか 双蜂 ベル マオチャオ 双蜂=ツインビー 南部蒼太 フレンダー フブキ タツノコのガッチャマン南部博士と、同じくタツノコキャシャーンのフレンダー チョコレッタ・G アンネ アーク 武装神姫2036 アーク・イーダのデザイナーCHOCO氏から 犬養創 ヤマト ハウリン メールで対戦可難関その2 単体のLPは低い神姫名は大日本帝国の大和型戦艦の名前。(大和・武蔵・信濃。ただし信濃のみ戦艦としてではなく空母として完成している) 犬養続 ムサシ ハウリン 犬養完 シナノ ハウリン 鍋島樹里 みおん マオチャオ 鍋島家の化け猫騒動 立花茂 銀千代 ハウリン 立花宗茂と妻・ギン千代「この風、この肌ざわりこそ神姫バトルよ」…アニメ「機動戦士ガンダム」のキャラクター、ランバ・ラル大尉の台詞のパロディ。「うん、無駄無駄無駄無駄無駄じゃ」…漫画「ジョジョの奇妙な冒険 第三部」のキャラクター、DIOの台詞のパロディ。「片眉剃って大笑いしたり」…空手バカ一代 豪徳寺みか まりぃ マオチャオ 「表の模様が裏に、裏の模様が表についてるコイン」…ジャイアンのもっていたコイン「縦縞のハンカチが横縞」…マギー司郎、審司の持ちネタのひとつ「頭の悪い怠け者~」ハン・フォンス・ゼークトの言葉「バカには見えないメイド服」…裸の王様のパロディ ケンプ 黒姫 ゼルノグラード 「我が選択に、一片の悔いも~」…漫画「北斗の拳」のキャラクター、ラオウの台詞のパロディ 百武健心 百花 イーダ メールで対戦可勝利後ショップでイーダ解禁 給料シーフ シルファ アーク シーフ=泥棒 給料泥棒? 真田有希那 キリカゼ イーダ 練馬大将軍 ミュー アーンヴァルMk.2 練馬区光が丘に存在した「グラントハイツ(米空軍宿舎)」の由来グラント元大統領・元将軍。もしくは究極超人あ~るの成原博士。「世界征服は練馬から!」 偉吹玲人 まお マオチャオ 武装神姫2036 ハウリン・マオチャオのデザイナーBLADE氏から勝利後猫型カスタムパーツ解禁 神選組局長 コテツ ゼルノグラード 新選組とその刀新選組局長 近藤勇:長曾祢虎徹<ながそね こてつ>新撰組副長 土方歳三:和泉守兼定<いずみのかみ かねさだ>新選組八番隊組長 藤堂平助:上総介兼重<かずさのすけ かねしげ> 神選組副長 イズミ ゼルノグラード 神選組隊士 カズサ ゼルノグラード 得川義文 葛葉 フブキ 「お風呂覗かれたり」…緑髪忍者型でコナミのゲーム「がんばれゴエモン」のヤエちゃん? 痴豚 ミランダ イーダ タレント・伊集院光が、ラジオ番組「深夜の馬鹿力」内で照れ隠しも含めて自身の事を言う際に使う呼び方。 痴漢の『痴』に太った人を蔑む意味『豚』を合わせた造語。それを抜きにしてもSMプレイでも『豚』という蔑称はよく用いられる。ミランダはイーダのデザイナーCHOCO氏の描くSFコミック「イグナクロス零号駅」の主人公ミランダ駅長から? 嶋渓フミカ エイル アーンヴァル 武装神姫2036 アーンヴァル・ストラーフ等のデザイナー島田フミカネ氏から ドグラ・モゲラ 菊花 フブキ ドグラ・マグラからか?(会話内容からマスターの容姿が「戸惑う、面食らう」や「堂廻り、目眩み」となっており、原点がそういう意味という説から)またはモグラ⇒掘る(男に対して性的な意味で)⇒アッー!⇒菊の花 山中日向 葵 アーク 日向葵で「ひまわり」。山の中に咲くひまわり? タケル サギリ アルトレーネ サギリの方が耐久が低い勝利後ショップでアルトレーネ・アルトアイネス解禁日本神話のヤマトタケルノミコト 日本神話の神:アメノサギリorクニノサギリ ミコト テルヒメ アルトアイネス F2クラス制覇~ マスター 神姫 神姫タイプ 元ネタとか攻略情報とか ??? ??? アーンヴァルMk.2 勝っても負けても展開は変らないが勝つと称号が貰える 神宮司八郎 アトラ アーンヴァルMk.2 F2制覇後登場。探偵 神宮寺三郎 また、「アトラ」は穴を開ける道具の事なので、海底軍艦轟天号艦長神宮司 八郎 大佐 森永穂波 アニー アーンヴァルMk.2 神宮司八郎戦闘後登場元女優の森永奈緒美さん。アニーは宇宙刑事シャイダーでの役名 神戸こなみ みなこ アルトアイネス F2制覇後登場。神戸のコナミそのまま。みなこはその逆さ読み「もっと恐ろしいものの片鱗を」…漫画「ジョジョの奇妙な冒険 第三部」のキャラクター、ポルナレフの台詞のパロディ。 笠嶋京香 あざみ ストラーフMk.2 赤城春菜 麗音 アルトレーネ 北関東最強、赤城→赤城山、春菜→榛名山、最強神姫理論→公道最速理論でいずれも漫画「頭文字D」のネタアルト「レーネ」→麗音 趙飛燕 夏姫 イーダ 前漢成帝の皇后。夏姫→巫臣(春秋時代の楚の政治家)のカミさん> 王秀英 睡蓮 アルトレーネ 周小紅 蘭蘭 ゼルノグラード 音黒野美子 クロミ フブキ クトゥルー神話に登場する架空の書物「ネクロノミコン」から。神姫名もネ「クロ」ノ「ミ」コン→クロミか?ちなみにバトル前の会話で唱えている怪しげな呪文も、クトゥルー神話に関わるものである。はしかのようなもの…はしかは日本人なら一生に一度はかかると言われる病気。転じて、恋の病や中二病など、誰もが経験するであろう事象を指す 武本哲 チェリー ゼルノグラード 漫画「じゃりン子チエ」の「竹本テツ」「チエ」にひっかけて「チェリー」 愛猫党党首 ターニャ マオチャオ 勝敗に関わらず趙飛燕と戦うと挑戦メールが来る 愛猫党参謀 アイニャ マオチャオ 愛猫党書記 ハルニャ マオチャオ 麻呂 雛鶴 イーダ 山県みちる 薫 アルトレーネ 「神姫イヤーは地獄耳」…デビルマン 兜茂 ユリコ アーク 仮面ライダーストロンガー神姫名のユリコはストロンガーのパートナーの電波人間タックルこと岬ユリ子 左籐楓 メープル フブキ 勝敗に関わらず愛猫党党首と戦うと挑戦メールが来るメープル:英語でカエデのこと。左籐楓(サトウカエデ)はメープルシロップの原材料アナベル:アジサイの品種。紫陽花(アジサイ)マグノリア:モクレンの品種。大山蓮華(オオヤマレンゲ)もモクレンの一種 紫陽 花 アナベル アーク 大山蓮華 マグノリア イーダ ういろー ナナ マオチャオ 名古屋名物、ういろうとナナちゃん 埴場怜太 クラリス アルトアイネス 羊たちの沈黙の登場人物。埴場怜太(ハンニバル・レクター)とクラリス・スターリング 九頭龍 ルル アーク クトゥルー…クトゥルー神話に登場する神の名前、九頭龍はその表記の一つルルイエ…同神話に登場する架空の地名 陰陽熊 ファム アルトアイネス 閃光魔女 シャイナ ストラーフMk.2 プロレス技のシャイニング・ウィザードからか?男にしとけばよかったんじゃ…(ウィザードは主に男性の魔術師を指す) 開田有人 ライム マオチャオ 全F1予選クリア後に登場。元ネタは開田裕治氏と氏のホームページに掲載されている徳間文庫の官能小説アンソロジー「爛夢」から?「きれいな言葉遣いだろ?マオチャオ型なんだぜこいつ」ご存知某野球漫画の主人公のせりふ。
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第十幕、上幕。 ・・・。 銀色のケースがある。 丁重に扱われるように、多重になっているケースがある。 小さなそのケースには、かつて『生きていた』神姫のパーツが一つ、大切に納められている。 小さなケースの中の、とてもとても小さなパーツ。 たった一体の神姫の、たった一つの身体のパーツに過ぎない。 だけど。それでも、ほんの少しとはいえ、確かに大切な時を歩んだカラダには。 人さえ信じる者が少ない大切な物・・・心。それがあると。 そう、信じていた神姫がいた。 心に伝えようとした、声。 心と歩もうとした、脚。 心を包もうとした、手。 心さえ見つめようとした、瞳。 それらと共に・・・未来へと馳せられた想い・・・そのものが。そのケースには納められていた。 だが。それが、もしも。 無駄になるとすれば・・・。 その未来は、優しいだろうか。 12月も下旬。22日の夕方。千葉県峡国神姫研究所、所長室。 「はい・・・それでは。前向きに検討させて頂きます。はい、よろしくお願い致します。こちらこそ」 初老の女性、小幡紗枝は、そう括って電話を切り、デスクに置いた。 そのままやれやれと大きく溜息を付いて随分と、それこそ一年分の疲れが来ている首を回す。 老け込む歳では無いと本人は思っているのだが。このような仕事故の職業病か・・・随分と最近肩が凝る。忙しい事は決して悪い事ではないものの・・・。 認めたくは無いが、この歳では流石に身体に溜まるようだ。 (・・・ふふっ。強がりですね) 外は風が強くなってきたのか、窓越しでも風音がはっきりと聞こえるようになってきた。ふと立ち上がり、窓際に歩み寄りカーテンを指先で開けると、風に誘われたのか暗い雲が空を少しずつ覆い隠していく様が見えた。 クリスマスも近いというのに嵐でも来るのだろうか? まぁ、それで神が不貞腐れるとすれば、キリスト教徒には辛いのだろう。そんな下らない事を考えていると。 「所長、失礼します」 数度のノックの後、オートドアが開き、眼鏡をかけた見たところ20代後半ほどの男性が書類らしいファイルを片手に顔を覗かせた。 「あら、大河内君」 小幡がそう呼んだ男性の背の後でドアが静かに閉まると、カーテン越しに外を覗いていたらしい所長に肩をすくませる。 その男性、この研究所の所員である大河内芳和は、随分と古い印象を持つ黒縁眼鏡のズレを直しながら続けた。 「はい、今年分の・・・最後になりますか。一通りのデータ書類と、丁度・・・その、用件です」 「丁度?」 首を傾げて聞き返すと、彼は笑って指で窓を指した。 「雪が混ざれば吹雪く事になるかもしれません。全員定時で帰しましょうか」 「あ。そうですね・・・」 納得しつつ、さっと軽くカーテンを閉め直すと。小幡は椅子に戻って深く座りなおした。 「そろそろ、今年も終わるのですね。皆、お疲れ様でしたと伝えなくては」 堅苦しそうな表情、仕草。口調・・・しかしながら。どうにも人間臭さが前に出てしまう。 そんな所長だからこそ、か。彼は軽く肩を竦めた。 「所長もお疲れ様でした。ところで・・・先の電話の用件は、以前の?」 「えぇ、一応は了承しましたよ。あちらも喜んでくれました」 その言葉に大河内は苦笑ともつかぬ笑みを浮かべて頷く。 この研究所のバトル筐体の一般解放の事。 峡国はもとより武装神姫プロジェクト発足後は、武装テストを中心に行ってきた。その為、その筐体のシステムクオリティは常に最高級に位置する事が求められている。 ・・・以前より、『そういう打診』があった事は事実だが・・・。 「大会等の限定的に貸し出す事にしようと思っているのですが、あとは。今までどおり修理など」 意見を求めるように首を傾げる小幡に、彼は頷いた。 「『神姫も、近くなりにけり』ですか。良いのではないでしょうか」 「名前を変える必要があるかも知れませんね。『神姫研究所』では堅すぎますし・・・」 そういって小幡は笑った。 武装神姫以前、特に文化系特化神姫。エレティレス、ミネルヴァ、クラリネットといったタイプの神姫が発売された時には。とても一般に神姫がここまで普及するとは思えなかった。 当時、技術の最新鋭の結集。そんな代物では、そのほとんどがオーダーハンドメイドだった。今も、解析されない部分さえある一種不思議な存在、神姫。 ・・・時の流れは早い。その歴史の波濤は全てを押し流す。 今では。随分と『人に近いところ』まで神姫がやってきている。この『武装神姫ブーム』はその現れとも言えるだろう。 「・・・」 バトルだけではない。 普及していく彼女達に触れ、多くの人間が。きっと多くの事を感じることになる。 それは決して正の事だけではあるまい・・・しかし。 小幡は節くれだった指を合わせて何らかを考え込むように目を閉じた。 「所長?」 「クリスマスまで、あと三日。ですね」 彼女が何を言いたいかを解し、大河内はふっと驚いたような表情を浮かべて、しかし。そのまま自身もただ、目を閉じた。 「はい。そうですね」 「今も聞こえますか?」 何が。とは聞き返さない。ただ、彼は目を開けると小さく笑う。 「そう。・・・私もです」 そう言って、小幡も笑って見せた。 ・・・。 12月の、25日。 それは。峡国研究所所員にとって。忘れることが出来ない『命日』。 大河内も、その光景を覚えている。 作られた身体。たった一つの身体を愛しげに、その小さな自分の手で抱きすくめ、最期まで優しい微笑を浮かべながら・・・美しい声で別れの言葉を紡ぐ美しい姿を。 感謝さえ述べて。彼女は、涙を流す彼らの前で。その動きを永遠に停止した。 『えぇ、そうですね。私は幸せでした』 聞こえる。・・・今も。 彼女の美しい声が。彼女の小気味良い足音が。 思えば、ヒトが心を失ったと言われた『灰色の2010年代』。全てから彩が消えた時代に生まれた彼は。 あの時。ようやく涙を知ったのではなかろうか。 『それでは皆さん。たくさんの心を・・・ありがとうございました』 最後に一筋だけ伝った涙。 今思えば、あの涙に。彼女は・・・どれほどの想いを込めたのだろう。 彼女が口にしたその『言葉』は。彼にしてみれば最後の後悔。 それはむしろ自分たちが・・・。彼女に送るべき言葉だったから。 「・・・。では、先に言った様に定時で帰らせます。所長もお早く」 「ありがとう」 と、そう答えたとき。電話が鳴った。 「あら・・・?」 ふと番号を見れば、それは同業者・・・研究所からのもの。しかし、その研究所のある場所は。 (?) ここから遥か遠方。 一応、といった感じで。とりあえず登録してあるだけの番号だ。ふと、小さく眉を顰めながらも、小幡はその受話器を取った。 「はい、峡国研究所所長、小幡です」 訝しげな表情を声に出すまいとする彼女に遠慮するように。 大河内は書類をファイルごと机にそっと置いた。小幡に手で合図され、一度礼をして踵を返す。 「・・・えっ。はい、確かにありますが・・・」 「?」 「えぇ、その通りです。クラリネットタイプですが。それに、そういう初期不良なら・・・」 その単語が出た事に、彼はぎくりとして肩越しに振り返った。 「はい。あぁ・・・CSCリンクが・・・はい、はい。なるほど。それならば確かにこちらの方が良いかもしれませんね。えぇ・・・え?」 小幡の声に、僅かながら興奮が混ざっている。 「なんという・・・そうですか」 その顔に驚愕が走った。 「同系の波長が! そこまで条件が揃うのは・・・奇跡的ですね」 「・・・!」 「解りました・・・その、『違う神姫ではイヤだ』というマスターの方の為にも・・・はい。必ず」 その堅苦しささえ含めて浮かべていた訝しげな表情が、柔和な笑みに変わっていく。 (まさか?) 大河内は身体を振り向けて尚もズレていた眼鏡を押し上げた。 小幡は手を軽く振ってその事を肯定するように頷く。 (・・・あの、最後の部位が?) よもや『合う』神姫が存在するとは思わなかった。 神の導きか。それとも・・・。 (それとも・・・あなたですか? ゼリスさん) 大河内も無精髭が伸びた顔で、笑みを浮かべて頷き返す。 だが。その時だった。 「・・・え?」 明らかに調子の違う声と共に、小幡の表情が、固まった。 「・・・。・・・ッ!?」 そのまま笑みが崩れ、愕然とした表情に変わっていく。 「それは・・・つまり。いえ、もしも」 受話器を持つ手は震え、唇がわななく。彼は彼女の異常に思わず眉を顰めた。 (?) それから十数分、いや。もっと長くあっただろうか。 (・・・) 小幡の口からは数度聞き慣れぬ・・・いや、人間としては決して聞き慣れたくない単語が零れ、それらはその度に大河内の浮かれた気分を氷点下に叩き落していく。 「申し訳ありません・・・。折り返し、電話致します・・・はい。いえ、お気遣い。ありがとうございます。それでは」 そのまま、震える指で電話を切ると、卓上に置き。・・・小幡は目を見開いたまま、一度息を吐いた。 「所長・・・」 大体の内容は掴みはした。だからこそ、彼は、即座に口を開いて聞かなくてはならなかった。 『どうするのか』と。 「・・・無駄になるかもしれない」 小さな声。 「いや、大切な物が、無駄になる・・・とすれば」 その大河内の問いを待つ事も無く。小幡は呟くように口を開いた。 「そんな未来を選択する事を。出来るのでしょうか?」 「・・・」 「生まれて、すぐに・・・」 消えゆく事になる・・・かもしれない。 そんな『心』を、私は生み出すことが出来るのだろうか? 最後の言葉は、既に声になっていなかった。 何も持たずに生まれる神姫。その命の中で、何よりも繋がりを求める彼女達。 何も持たずに心が生まれ出で。 しかし、その心は時を走ることさえ出来ず、何も想わずに消えるとすれば。 そんな事を。自分は、決断出来るのか? ゼリスの身体を、想いがこもった最後のパーツが。 『無駄』になると解っていても。 ぽつり、ぽつりと話す小幡から、先の電話の内容を掴み、大河内は腕を組んで唸った。想像以上に事態は急を要するらしい。 彼はしばしの間、考え込んでいたが。 突如、自分でもぎょっとする案が頭を走った。 (それは・・・だけど) それをしてどうなる? ・・・いや、どうなるかでは、あるまい。きっと。彼が意を決するまで僅か数秒。 「所長・・・『訊いて』みては、いかがでしょう?」 その言葉に、小幡は顔を上げた。 「訊く? 誰に?」 その目をじっと見返し、彼自身も苦しげに言葉を続ける。 「ゼリスさんを・・・識っている者がいます」 辛そうな絞り出すような声に、小幡は目を見開いた。 「まさか。彼女達に伝えよと? この事を?」 「私達と同じほどに。彼女達は強くゼリスさんと繋がりを持ちます」 「・・・それは」 「はい。これが何になるかは解りません。しかし、訊いてみるべきかと思います」 「・・・」 沈黙が返る。大河内はじっと彼女の声を待つだけだ。 「・・・。・・・私達では、解らない繋がりがある。ですか」 「所長は恐らくゼリスさんと最も強い繋がりを持っておられます。しかし、ヒトである私達とは違います、彼女たちもまた、神姫なのです。ある意味これは」 そこまで言ったところで、弱々しく、手でその先を制した。 「そう。ですね」 顔を上げて、一度大きく息を吐くと。 小幡は、電話に手を伸ばした。 ・・・。 「それで、それは。いつですの?」 ヴィネットはいつものクレイドルの上、キャッシャーに接続しているコンピュータ。そのウィンドゥにに映る小幡に尋ねた。その真紅の目は常より鋭く、常よりも美しいと思わせる声はしかし緊張を張り巡らせている。 『二日後・・・です』 その言葉に息を飲んだのは、ヴィネットではなく。隣に立つリカルドの方であった。 「二日とは・・・なんと」 「そうですか、時間は・・・無いのですね」 猛禽を思わせる視線のまま、じっと画面に映る小幡を見つめて。 「母の身体、他ならぬ母の身体です。無論、そのような事。決して諸手を上げて賛成とは言えません・・・それが『長女』たる。私の選ぶべき言葉でしょう」 『そう、ですか』 「しかし・・・それでも」 姿さえ知らぬ、妹となるかもしれぬ者に。 神姫として、最も苦痛ともいえる悲しみを一種『強いる』事が出来ようか? (だけど・・・) ヴィネットは声と、心とが揺れるのを感じていた。 「それでいても、私は・・・」 ・・・。 「少しでも、会えるなら。会えるなら起こしてあげて!」 フェスタは自宅の応接間に持ってこられた電話の前で叫んだ。 「その・・・。会う『時間』は、少しでもあるんですか?」 「・・・フェスタ、落ち着いて」 マコトに宥められるが、彼女はぽろぽろと涙を零しながら、美しい山吹色の光を湛える髪を揺らして首を振る。 『フェスタさん。もしも間に合ったとしても・・・』 小幡の声が電話から小さく零れる。 「間に合ったと、しても?」 最早答えられぬフェスタの代わりに、マコトが先を急かす。 『恐らく会話が出来たりする状態では無いという事です』 「・・・」 しゃくり上げながら、ぺたん、と。その応接間の木製の天板に、フェスタは腰を落とした。 「どうして・・・」 『フェスタさん、悪い結果もまた、あくまで可能性です』 「・・・うん。解ってます」 小幡の声に、力なく答える。 「解って、ます・・・。解って・・・るんです」 そう繰り返す。が、彼女には涙が止まらない理由は。解らなかった。 それが、きっと神姫にとって、何よりも辛いことだと解るから。 やがて。しばらくの後。そのまま、顔を上げずに。 「・・・私、なら・・・」 ・・・。 ルクスはスピーカーモードになっているアキの携帯電話の前で立ち竦んでいた。 その震える唇で言葉を紡ぐ。 「会話さえも・・・。一度の会話さえも。不可能である、という事ですか?」 『・・・』 「なら・・・」 ゆっくりと。絞り出すように、小さく呟く。 「せめて、会って・・・。その・・・『会える』のでしょうか?」 『解りません。恐らく迅速に行ったとしても。全身麻酔に入っている可能性はありますし・・・それに既に』 唇を噛み、言葉を失ったパートナーを、アキが心配そうに覗き込む。 「・・・ルクス」 「その、それは」 声は揺れていた。怒りか、悲しみか。それは自身も介する事は出来ない。 「どれくらいで成功するのでしょうか・・・いえ」 可能性など無意味であると知り、首を振る。 答えを小幡が知らない事も解っている。だが、それでもルクスは問い尋ねなくてはならなかった。 気休めにもならない、その言葉を。 「成功、するのでしょうか?」 だが。 解答は、返って来なかった。 ふっと、その銀色の瞳で天を仰ぐ。 「母様の身体・・・。これはあくまで個人的な意見。述べさせていただきます・・・お聞きください」 ・・・。 電話を切り、小幡は首を振った。 「この結果は、想定できませんでした」 「皆、同じ解答を返しましたね」 大河内は、険しい顔のまま、僅かながら意外そうな声で言った。 「きっと。・・・何かを、知っているのでしょう」 目を伏せたまま、小幡は首を振る。 「それは・・・人が解らない感情。人が信じれない何か・・・その何かを、信じているのかもしれません」 「所長・・・」 その声に一度だけ頷き、彼女は最後の姉妹の電話番号を押した。 ・・・。 ボタンは久方ぶりに帰ってきたコウの自宅。 その仕事でも使用しているノート端末をTV電話として使い、その前でじっと腕を組んで胡坐をかいて座っていた。 「・・・」 コウはどっかと横の椅子に座り、何も言わず、その様子を見ているだけだ。 先までコウが吸っていた煙草は既に燃え尽き、沈黙のみがその場を支配する。耳が痛くなるような、冷たく重い空気が流れていた。 「なぁ、小幡殿」 ややあって。ボタンがようやく切り出した。 『はい』 「それを・・・。その神姫が望むと思うか?」 思いもしない問いを返され、小幡は声を失った。 『・・・その、神姫が、ですか?』 ボタンはじっと画面の向こうにいる小幡を直視する。 『その神姫は、未だ生まれてもいません。誕生させる為に・・・』 その返答に満足げにボタンは頷いた。 「人間らしい考え方だ、ありがとう。だが・・・神姫はそもそも、CSCが植え込まれ、初めて声を上げたときに『生まれる』のだろうか」 そういって、彼女は自分の掌を見つめた。 「既にCSC以外の全てを持ち、それ以外を持たぬ。決して『生まれる』という事が、心が動き出すという意味でもない・・・アタシは、そうも想う。その神姫は既に生まれているが・・・心を見つけようとしているだけだ」 しばし、視線を宙に這わせ。うん、と一度頷く。 「目覚める・・・いや、あえて『芽生える』。といった方が良いかもしれないな。それは」 モニターの向こうで、小幡が僅かに目を見開いた。彼女は、それを伝えてはいないはず。 その神姫が・・・。そのMMSタイプが・・・。 「なれば。もう生まれている神姫が。芽生え、自分であると認識し。光を知り、目を開け・・・そして。主の想いを受けることも無く。再び目を閉じるとして・・・それを望むだろうか?」 答えれぬままの小幡に一つ息をつき。淡々とボタンは続けた。 「アタシ達は何も持たずに生まれる。自分が自分であるという事は、この世界で心に触れ、心を抱き、風に吹かれる事で知るのだ。それさえ出来ず、それを許されぬ事を。その神姫は望むだろうか?」 『・・・』 無言を返すしかない小幡。そんなことは。 しばし顔を伏せ。やがて、ボタンはその大きな目をじっと彼女の映るディスプレイに向けた。 「アタシなら・・・望むかもしれない」 『!』 「・・・例えそれが一時でも構わない。それが一瞬で構わないんだ。しかし、そのCSCをセットしてもらった事。起動スイッチを押して貰った事。その事だけでも喜んで目覚めるかもしれない。だが・・・それは」 「ボタン」 それまで沈黙を守っていたコウが、じろりと視線を動かして、その口を開いた。 「どいつもこいつも。勝手に幸せになる、お前みたいなバカじゃねぇだろ」 「・・・。そうではある、主」 ボタンは恐ろしく強い。その心は死を知っている。絶望を知っている。 それを彼は、彼女と共に暮らしてきた彼は。誰よりも知っている。 ボタンなら全てを包み、全てを受け入れ、その『手』で抱きしめる事が出来るだろう。 だが・・・。 「なぁ、小幡さんよ。今、このバカ犬が言ったとおりだ。それを望む、望まないは神姫それぞれでしかねぇ」 『・・・えぇ』 「で。アンタは。エゴに生きてみる気があるか?」 コウは、ずいっと大きな身体を乗り出すように、小幡に問い尋ねた。 『・・・エゴ? ですか』 「そう、エゴだ。自分勝手に楽な解釈をして。自分勝手に動いて、他者よりも自分を可愛い。そう生きてみる気はあるか?」 いつもの得意な笑みさえ浮かべず、コウは続ける。その視線には何かを試すような意さえ込められていた。ボタンはきょとんと自身の主人を見上げる事しか出来ない。 「こっからは神姫どうこうじゃない。『人』としてのアンタの胸先三寸にかかる。聞け」 『・・・』 「コレは飽くまで、前例があるだけだが・・・」 『・・・それ・・・。ですか・・・』 話し終えた後。悲痛に近い表情を浮かべて、小幡は首を小さく振った。 「あぁ、知っているだろうが。方法として、あるには、ある。今回は特に、特別だ」 「主・・・しかし! ・・・しかし・・・それは」 ボタンが何か言いたげに、しかし。何を言えば良いか解らずに困ったような表情で首を振りながら見上げ続けている。 恐らくは泣いているであろう、その姿をあえて視界にいれないようにしながら。 「・・・。まぁ。やれと言われてもアンタにゃぁ簡単に出来ないだろうが」 余り言いたくなさげに。いつものように、やる気無さげに。彼は続けた。 「だったら。その神姫に直接『聞いて』みな。それでいいか、とな。訊けるなら・・・だが」 ・・・。 電話を切った後。小幡はちらりと大河内を見た。 「確かに前例はあります。確か二件ほど」 その言葉に頷くと。彼女はゆっくりと立ち上がった。 「所長」 心配そうな声を手で制する。 「今から準備をして行きます。時間がありません」 「・・・。訊くのですか? その神姫に。その問いを」 机の電子ロックを解除し、中から、小さな銀色のケースを取り出し、彼女は握り締めた。 「直接・・・訊けるのですか? 所長」 無機質なケースの冷たさだけがはっきりと伝わってくる。小幡はそのケースをじっと見つめ、やがて、そのまま窓に視線を向けた。 そう。この部屋。この窓。 あの日・・・今年の一月一日に。私は誓った。貴女の遺志を受け継ぐと。 窓を開けようと手を伸ばし、しかし。小幡はその鍵に手をかけた所で動きを止めた。外に吹き荒れるような強い風が、何かを彼女に知らせる警鐘のように鳴り響いていた。 (・・・ゼリス) その風に憧れると笑って言った彼女の名を心中で呼ぶ。 ・・・あなたなら。どうしますか・・・? ・・・今でも、私の背を。押してくれますか? ・・・。 翌日、深夜三時。新函館空港。 小幡は、雪が積もる北の大地に降り立った。今もまだ小降りとはいえ雪は降り続いている。 が、それは決して吹雪いてはいない。 そう。 そこには、あれほど千葉では強かった、全てを吹き押す風は。 その一切、吹いて・・・いなかった。 第十間幕
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先頭ページ 次へ 目次 インターバトル0「アーキタイプ・エンジン」 「強敵」 「犬達の出会い」 「バトリングクラブ」(上) 「バトリングクラブ」(下) インターバトル0「アーキタイプ・エンジン」 涼しい秋の風が網戸を通って、彼の頬をなでた。 私はたわむれに彼の頬をなでていた空気の粒子を視覚化して追う。 くるりと彼の頭の上で回転した空気は、そのまま部屋に拡散して消えた。 彼はもう一時間ほどデスクに座りっぱなしで、ワンフレーズずつ、確かめるようにキーボードを叩く。彼の指さばきが、ディスプレイに文字を次々と浮かべる。浮いている文字。 その後ろの、ベッドの上に座りながら、彼の大きな背中を見ている。これが私。 私は武装神姫。天使型MMSアーンヴァル。記念すべき最初のマスプロダクションモデル。全世界に数千万の姉妹がいる、そのうちの一人。 パーソナルネームは、マイティ。彼が一晩考え抜いて、付けてくれた名前だ。 私はこの名前に誇りを持っている。 うーむ、と、彼がパソコンチェアの背もたれに寄りかかって、腕を組んだ。再び 涼しい風が部屋に遊びに来る。窓を見る彼。外は快晴。ついで視線に気づいて、私を見る。 彼はくすり、と微笑む。ちょっと陰のある、はにかんだ笑顔。 「おまえは、食べ物は食べられるのかな」 壁の丸い時計をちらりと見て、彼は訊ねた。私に。 「はい。有機物を消化する機能があります。99.7パーセントエネルギー化して、排泄物を出しません」 「いや、それはいいんだが」 彼はちょっと困った顔をして、私はすぐに彼の言わんとしていることを悟った。 「味も識別できます」 「そうか。良かった」 昼飯にしよう、と、彼は台所に立つ。ワンルームの小さな部屋。一つの部屋がリビングとダイニングとキッチンと、仕事部屋と寝室を兼ねる。十畳以上あるから狭くはない。 カウンタをはさんでキッチンが見える。キッチンの横のドアは廊下があり、玄関へと続く。それまでに洗面所経由のお風呂があるドアがあって、玄関に近い方にトイレのドア、と並ぶ。反対側は大きな納戸だ。 カウンタの手前には小さなテーブル。一人暮らしのはずなのに、なぜか椅子が二つある。そのことを聞いてみたら、 「セット商品だったのさ」 と、苦笑した。 いい匂いがキッチンから漂ってくる。ガスコンロの上で、フライパンが踊る。お米と、たまねぎと、玉子、そしてお肉が舞う。 ほどなくして、テーブルに大小二つの皿が置かれて、そこに金色のご飯が乗せられた。 チャーハン。私のプリセット知識が料理の詳細を再生する。 私はテーブルに座らせられて、小さいお皿のほうが手前に寄せられる。 「多いか」 「いえ、丁度良いです」 彼は微笑して、椅子に腰掛けた。 「小さいスプーンがこれしかなかった」 と、彼はプラスチックのデザート用スプーンをくれた。 「いただきます」 私はチャーハンをほお張る。 おいしい。 有機物を摂取するのはこれが初めて。私のコア頭脳に新たなネットワークが築かれているのが分かる。 「おいしいです」 私は心からそう言った。 心、から。 そう。このときに、私が生まれたのかもしれない。初めて。 私は、マイティ。 「強敵」 『不良品』の著者様に敬意を込めて。 なんてこった。強すぎる。 『きゃあああ!?』 タイプ<ゴーストタウン>バトルフィールド内において、おれの天使型MMSアーンヴァル「マイティ」は、空中にいたところを相手神姫に攻撃された。アウトレンジから一方的に射撃することで安心しきっていた マイティは、ビルの外壁を蹴たぐって「跳んで」きた敵と避ける間もなく激突。そのまま失速し地面へ真っ逆さまに落下した。 「体勢を正せ!」 おれはすかさず命令する。ダメージからではなく驚愕に前後不覚に陥っていたマイティはおれの声で平静を取り戻した。神姫スケール換算地上三メートルでマイティはウイングブースターを反転させ、下方への運動エネルギーを強制排除、墜落寸前でホヴァリングした。 頭上から脳天割らんと落ちてきた敵。巨大なアームに握られた「フロストゥ・グフロートゥ」が道路を粉砕。まるで砲弾がぶち当たったようにアスファルトの破片が炸裂する。 マイティはすんでのところで避けていた。十二分に間合いを取る。若干組み替えているとはいえアーンヴァルそのものの優秀な中遠距離戦闘性能は殺していない。離れれば離れるほどこちらにとっては有利になれる。 相手神姫は悪魔型MMSストラーフだった。武装はほぼノン、カスタムに見えるが、一目で分かる最大の特徴――今やあれは特長と呼んだほうが良いかもしれない――があった。 一本足なのだ。性格には右足のみ、悪魔型のレッグパーツを取り付けてある。左足は素体のままで右レッグパーツに添えるだけ。右のレッグパーツはバッタの足みたいな補助シリンダーが装備され、片足以上の跳躍性能を秘めていた。ビルの壁面を蹴り登りマイティのところまでやってこれた正体だ。 決して不恰好ではない。正面から対峙すれば、本当に脚が一本しかないように見えてしまう。もともとが人型であるから、どうも対戦した神姫は生理的な恐怖か嫌悪感のようなものを感じてしまうらしい。 おれのマイティも例外ではなかった。 「片輪の悪魔、か……」 おれは相手神姫とそのオーナーに付けられた通り名を思い出していた。考えてみれば通り名がつくほどなのだから、そいつはめっぽう強いか笑えるほど弱いかのどちらかでしかないのだ。あいつはまず間違いなく前者だった。 まるで神姫と会う前から示し合わせていたように、オーナーの男は左足が、無かった。 『マスター!』 懇願するようにマイティが叫ぶ。命令をしてくれというのだ。しかし、おれは有効な戦術が思いつかない。 「今ので空中も危ないと分かったはずだ。動き回って間合いを取り続けろ」 『は……、はいっ』 有効な安心が得られなかったからか、やや不本意そうにマイティは応えた。 その後もこちらの不利が続いた。動き回れば追ってくるのは近接型のセオリーだが、悪魔のそれはつかみ所の無いトリッキーな動きだった。ビルの壁を利用し、三次元的に追ってくるのだ。そのくせこちらが予測して撃ったはずの弾は例外なくかわす。避けるのではない。弾丸をはじき飛ばしたり隙間を抜けさせたり、並大抵の神姫ではできない戦術を呼吸するようにやってのける。 マイティのコンディションに焦りが見え始めた。先頭の切れ目だ。おれは彼女にアウトレンジ戦法ばかり教えてきたから、突発的な対処にはめっぽう弱い。 悪魔が隠し持っていた拳銃を二、三連射する。マイティのちょうど後ろにあるビルの外壁に当たり、マイティはおののいて急制動をかけてしまった。拳銃は命中させるための攻撃ではなかったのだ。 すかさず悪魔の右アームが背中にまわり、目にも留まらぬ速さで前方に振られた。 「いけない。マイティ避けろ!」 『えっ』 ずがっ マイティの右ウイングが叩き切られた。外壁に刺さっていたのは忍者型の手裏剣。マイティは揚力を失い、墜落した。 『あ、あ……?』 衝撃で動けなくなり、地面に転がるマイティ。 どすん。目の前に悪魔が着地する。とどめを差す気だ。逆手に握られたフロストゥ・クレインを天高く持ち上げる。 『いやぁー!』 マイティの悲鳴。 『そこまでっ。試合終了』 審判側から試合終了の合図。 もちろんおれ達は負けた。マイティはなんとかぶち壊されずに済んだ。 「マスター!」 破損した部品を修理ブースへ預け戻ってくるなり、マイティはおれにしがみついた。体が小刻みに震えている。尋常でない恐怖だったのだろう。 おれは「大丈夫だ、もう大丈夫だよ」マイティの頭をなでた。 「よう、こっぴどく負けたな」 観戦していたらしい神姫仲間の一人が寄ってくる。胸ポケットには彼のハウリンが心配そうにマイティを見つめている。 「惨めなもんさ。見てたのか」 おれは頭を掻きながら、嘆息した。 了 「犬達の出会い」 「……でよぉ? そしたらそのバカの神姫が勢い余って壁にぶつかってやんの。で、目ぇまわして、相手不戦勝」 「はぁ」 「しっかし昨日の、なんだっけ。『片輪の悪魔』は強かったよなぁ。あいつのマイティがこっぴどく負けるほど強いんだぜ? 戦ってみたいよな」 「はぁ」 「……おいシエン、聞いてんのか?」 「へっ?」 やっぱ聞いてなかったか。 オレの神姫、犬型MMSハウリン「シエン」は、あわてて直立。 「も、申し訳ありません、ご主人様。聞いておりませんでした」 「いや、別にいいんだけどよ。なに見てたんだ?」 シエンの後ろには先ほどまでこいつが操作していたパソコン。画面にはおもちゃ屋のページが開いている。なになに……? 「ごっ、ご主人様!?」 すかさずシエンがマウスを操作し、ウインドウを消す。 「おいおい、何だよ?」 「いえ、あの」 「お前にしちゃずいぶん熱心に見入ってたじゃねえか」 「そ、それは」 「いいから。見せてみろよ」 オレはブラウザの履歴を開く。 「でも」 「見せろ。命令だぞ」 その言葉には逆らえず、シエンはその場でうなだれた。うーん、ちょっと卑怯くさかったな。 最新の履歴には「ホビーショップNOVAYA……」とあった。 開いてみると、そこには、 「1/12スコープドッグ復刻版、フルモータライズエディション?」 「あう……」 三十年も前に発売されたロボットのおもちゃを、間接の一つ一つに小型動力を仕込んだ、ラジコン操作が可能なやつだった。 このおもちゃのすごいところは、完全再現されたコクピットの計器・レバーがすべてアクティブだってことだ。武装神姫とのコラボレートを見込んだ機能らしい。 「お前ぇ、こいつが欲しいのか?」 「いや、その……」 「欲しいんだろ?」 「…………はい」 シエンは顔を真っ赤にして、蚊の鳴くような声で答えた。 「なんだよ。だったら言えばいいだろ。これくらい買ってやらんこともねえぞ」 まあ、ン万ぐらいだったらこいつに出しても良いだろうな、という覚悟は決めた。今。 「でも」 「あ?」 「お値段が……」 「値段?」 オレはページを下に少しスクロールした。 「いちじゅうひゃくせんまん……」 うぐ。オレはのどを詰まらせた。そこにはオレの予想を一桁超えた額が、メタリックフォントで燦然と輝いていたのだ。 まぶしいぜ。 「いえ、いいんです。自分は別に」 オレはシエンの顔を見た。申し訳なさそうに見上げるそいつの目。 そのとき、オレの中で何かが切れた。 「買うぞ」 オレは間髪いれずに言ってしまった。なんだか知らないが、買わなきゃいけない気がしたからだ。こいつのために。 「でも」 「いや、買う。これはご主人様めーれーだ」 言葉が間違っている気がする。 「ご主人様……」 「いいんだよ。金もあるし。お前が喜ぶなら、こんくらい」 「あ、あ。……ありがとうございます、ご主人様!」 シエンは満面の笑みでオレに抱きついた。尻尾を千切れんばかりに振っている。おいおい、そんな表情初めて見たぜ? 数日後。神姫の箱を四つ合わせたくらいどデカいパッケージが部屋の真ん中に鎮座していた。 オレとシエンはパッケージの前に正座する。ごくり。おもちゃに対して固唾を呑むのはさすがに初めてだぞ。 いよいよ開封。鉄片から発泡スチロールの梱包材ごと取り出す。とてつもなく重い。きっとおもちゃのガワの中身は動力がぎっしり詰まっているのだ。下手な持ち上げ方をすればぎっくり腰になるぞこりゃ。背筋をまっすぐにして「ふんぬっ」と中身を持ち上げ、シエンが箱をおろす。適当にスチロールを外すと、出てきたのはシエンの二、三倍はあろうかという緑色のロボットだった。 オレは触ってみて重さの正体を知った。重いのは動力のせいだけではなかったのだ。 「全身金属かよ……。これホントにおもちゃか?」 シエンは尻尾をぶんぶん振り回しながら、ほあー、という顔をしてロボット、スコープドッグを見上げていた。こいつにとっては神姫スケール換算四メートル弱の巨大ロボットなのだ(作者注:倉田光吾郎氏製作、一分の一ボトムズを見上げたことのある方はそのときの感情を思い出してください)。 「あの、ご主人様」 「ああ、良いぜ。乗ってみな」 オレは説明書片手にスコープドッグのハッチを開ける。シエンを持ち上げて乗せようとしたが、 「自分で乗ります」 と言って歩み出た。なるほど、昇降用の手すりや出っ張りがちゃんとあるのか。三十年前のおもちゃにしてはよくできたデザインだと感心する。シエンは乗り込む楽しみも味わいたいようだった。その気持ちはオレも良っく分かる。 シエンが自分でハッチを閉める。中でなにやらカチャカチャしていると思ったら、突然ロボットのカメラアイが「ヴゥーン」という電気音を立てて光りだした。 「うわっ!?」 オレはびっくりして引いてしまう。 主動力らしいエンジン音のようなグングンという音が鳴り始める。 ガシャン。スコープドッグが最初の一歩を踏み出した。 「シエン、大丈夫か!?」 スコープドッグのバイザーが上に競りあがる。頭の穴からシエンの顔が見えた。 「問題ありません。動きます。すごいです、ご主人様」 「そ、そいつは良かった……」 シエンを載せたスコープドッグが部屋の中を歩き回る。時折腕を回したり、いらない段ボールに向けてアームパンチを繰り出したり。うわ、ダンボールが破れた。どんだけ強力なんだ? ローラーダッシュのスピードは俺の狭い部屋じゃ速すぎる。やめろピックを打ち込むな、ターン禁止!! あーあ、床がへこんだ。こりゃあただのおもちゃじゃないぞ? いやしかし。オレも乗ってみてぇ……。 「ん?」 説明書のほかに妙なチラシが入っている。店側が入れたやつだろうか? チラシにはこう書かれていた。 『武装神姫in装甲騎兵ボトムズ・バトリングリーグ&トーナメント 近日開催!!』 オレはもう一度、シエンの動かすスコープドッグの方を見やった。 了 「バトリングクラブ」(上) 「ここか」 「……みたいですね?」 おれとマイティ――天使型MMSアーンヴァル――は、すえた臭いの立ちこめる場末の会員制クラブの入り口にいた。 なぜおれがこんなところにいるかというと、彼から招待状が届いたからだ。 彼――犬型MMSハウリン「シエン」のオーナー――は、 「いいから来い。面白いモンを見せてやんよ。来なかったら私刑」 と言って、半ば無理やりおれを呼び出した。私刑は誤字ではない。 おれは正直怖気づいていた。いや、私刑にではない。 そもそもおれはこんないかにも治安の悪そうな場所に自分から赴くような人間ではない。 なにより今はマイティを連れている事がおれをためらわせた。が、彼の「大丈夫だから」 という言葉を信じてやってきた。 とりあえずからまれることもなく無事に現地へ着いたわけだ。玄関先の巨漢の黒人に 招待状を見せる。 「ドウゾ、オハイリクダサイ」 片言の日本語だが、やはり威圧的な空気は篭っている。目の前にいるのはまったく場違いな人間なのだ。無表情な中から怪訝そうな感情がにじみ出ていた。 ウェイターに案内され、控え室の一つに通される。クラブであるはずなのにホールでは誰も踊っていなかった。何かを待っているようだった。そういえば真ん中のお立ち台には頑丈な金網が回されてあったが……。 「よお、来たな!」 出されたキツイ酒を飲んでいると彼が現れた。 「お前はこんなところにいても違和感ないよな」 おれは彼の茶髪やヒゲやピアスを見ながら言った。 「なんだそりゃ。まあいいや。ようこそ。バトリングクラブへ」 「バトリングクラブ?」 「シエン、入って来い」 『了解です、ご主人様』 妙にくぐもった声だなと思う間もなく、スコープドッグが入ってきた。 あのスコープドッグだ。ボトムズの。なぜか頭部が真っ赤に塗られている。 「シエンちゃん!?」 マイティが俺の懐から飛び出した。シエンが無骨な戦闘ロボットになってしまったと 思ったのだ。 「久しぶり、マイティ」 ハッチを上げて、中からシエンが出てきた。素体のままではなく、専用の対Gスーツを 着ている。頭には同梱の頭甲・咆皇にモニターゴーグルを取り付けていた。 「どうしたの、このロボット?」 「ご主人様に買ってもらったんだ」 なんだって? 「お前買ったのか、このバイクが買えるくらいのやつを?」 「買った。シエンの為だからな」 ある意味、こいつはおれ以上の神姫ラヴァーかもしれない。 「バトリングってのは、やっぱりボトムズのだったんだな」 「そうだ。オレはここで、パートナーをやらせてもらってる」 「誰と?」 「ここのチャンピオンとさ。もうすぐ試合があるんでそろそろ、……来たな」 ドアが開く。 そこには気さくそうな眼鏡の青年が立っていた。チェックのワイシャツにチノパン。おれよりも場違いな人間だった。 「やあ、君が『屍ケン』のご友人だね」 「屍ケン?」 「オレのリングネームさ」 「僕は舎幕(しゃばく)。リングネームは『青の騎士』だ。よろしく」 「あ、ああ。よろしく」 俺はごく自然に舎幕と握手していた。細い手だった。 「僕の神姫とATを紹介しよう。ライラ、入っておいで」 入ってきたのはスコープドッグよりもひとまわり大きな、青いロボット。 「僕のAT、ベルゼルガだ。パイロットは兎型MMS『ヴァッフェバニー』のライラ」 ハッチが開いて、中から完全武装の――とおれが思ったのは、その神姫がガスマスクと ゴーグルを付けていたからだ――神姫が出てきた。 『コーホー、コーホー……』 「ライラ、控え室にいるときぐらいはマスクを取りなさい」 『……ラジャー、オーナー』 渋々その神姫が素顔を見せた。 「……ライラです」 それだけか。愛想の無い神姫だ。 しかし人懐っこいマイティはすぐに寄っていって挨拶をしている。 「舎幕、時間だぜ」 彼――屍ケンが呼ぶ。 「ああ、そうだね。挨拶だけですまない。これから試合なんだ」 「いや、いいんだ」 「オマエには特等席を用意してあるぜ。楽しみにしてな」 そうして俺たち一人と一体は、その特等席とやらに通された。 思ったとおりあのお立ち台はバトルリングであり、特等席とはそのまん前、最前列であった。 「レィディースえ~んどジェントルメェン! ようこそ、クラブサンセット、武装神姫in装甲騎兵ボトムズ・バトリングマッチへ! 今宵もクラブチャンピオンの座を賭けたアツいバトルの始まりだ!」 司会のスタートコールにホールに集まった観客が歓声を上げる。 「まずは我らがチャンピオンタッグの紹介だ。」 リングの東方、おれのいた控え室の方向へ司会が手をかざす。 「チャンピオンの愛弟子! 幾度と無く敗れてなお、立ち上がってきたアンデッドマン。屍ケン&「ハウリン」シエン!」 フードを被った彼が、プッシング・ザ・スカイのBGMとともに登場。肩に立ったシエンが観客に手を振る。彼女のファンらしいグループが「シエンちゃーん!」と黄色い声。 「シエン‘sAT、ムダな装甲を限りなくそぎ落としたライト・スコープドッグ、『クリムゾンヘッド』!」 彼の後ろからハッチを開けた無人のスコープドッグがローラーダッシュで入場。彼の肩にいたシエンは跳躍、コックピットに見事着地し、ハッチを閉め、そのままリングへ登壇した。 「そして我らがクラブチャンピオン。並み居る挑戦者を華麗に撃破し続けるハンサムボーイ。青の騎士・舎幕&「ヴァッフェバニー」ライラー!」 青年舎幕が控え室そのままの姿で登場する。やっぱりどこかの理系の大学生にしか見えない。 ライラはどこだ? 「ライラ‘sAT。どんなATもその巨体にはかなわない。ヘヴィ級アーマードトルーパー、『ベルゼルガ』!」 ブルーの巨体が舎幕の後方からローラーダッシュしてくる。もうライラは乗り込んでいるようだ。 どうやら彼女は人前で素顔を見せたくないらしい。 挑戦者の紹介が始まった。 「今宵のチャレンジャー。都内各地のバトリングクラブを潰しまわって十二件。息のぴったり合ったユニゾン攻撃は相手を混乱の渦へと叩き込む。バックス兄弟、そして「ストラーフ」マリア&ミソラ!」 バックス兄弟? どう見ても日本人じゃないか。屍ケンより格段にガラの悪そうな連中だった。 たとえるなら、徒党を組んでカツアゲでもしていそうな連中だ。おれなら絶対に関わらない。 連中の神姫はそろってストラーフだったが、おれは妙な違和感を覚えた。 目に神姫特有の生気が宿っていないのだ。 「あのストラーフたち、感情回路を外されてます」 マイティが寒そうに胸をかき抱きながら言った。 「どうなるんだ?」 「ただのロボットになってしまうんです。マスター、あの、少し抱いていてください」 「ああ……」 おれはマイティを両手で包んだ。 無理も無い。あのストラーフたちの姿は、彼女らにとっては脳みそをいじくられているも同義。 痛々しい姿をマイティは見ていられないのだ。おそらくシエンとライラも同じ気持ちだろう。 「おい、舎幕」 「ああ。分かってる。倒すさ」 二人はそう打ち合わせた。 挑戦者のATは、黒いストロングバックスの背中にストラーフのアームユニットを二対も取り付けていて、さながら阿修羅のような格好だった。カメラは人間の目のようなステレオスコープ。 ルールは白兵戦武器も使わない肉弾戦のみの限定ブロウバトル。 ゴングが鳴った。 つづく 「バトリングクラブ」(下) ◆viewpoint change… “おれ”→”3rd person” リングは正八角形の平面で、直径は10メートル前後。1/12のATが悠々と走り回れる広さになっている。 「どちらかのATがすべて行動不能になった時、試合終了とします。それでは、レディー……ファイッ!!」 ゴングが鳴らされた途端、四体二組のATはそれぞれローラーダッシュを全力でかけ突進した。 いち早く飛び出たのは屍ケン、シエンのクリムゾンヘッド。頭部が真っ赤に塗りたくられたライトスコープドッグは、異常なまでに良好な出力重量比をもって機動する。 コックピット周辺を中心に可能な限り殺ぎ落とされた装甲は、駆動限界ギリギリまで迫る。重量軽減のために左腕のアームパンチさえオミットしているのだ。 「そんなにガリガリで、俺様のマリアに真正面から挑むのか、死にたがりめ」 ほくそ笑む、バックス兄弟の兄。 「ぶっ潰しちまえ、マリア!!」 『了解』 ひどく無機質な応答があり、「ストラーフ」マリアの阿修羅ストロングバックスがステレオスコープの両目を真っ赤に光らせ相対する。本体のと合わせ計六対のアームユニットが開かれ、迫るクリムゾンヘッドを殴り潰さんとランダムに飛来した。 さながら他弾頭ロケットの着弾である。掛け声を付けるなら「オラオラオラオラ」あるいは「無駄無駄無駄無駄」だが、あいにくパイロットの神姫は感情回路が無いためそんな気の利いた気合は出さない。 しかし、クリムゾンヘッドは当たらない。超軽量のボディはATらしからぬアクロバットな回避を簡単にこなすことができる。スウェー、ステップ、側転を織り交ぜ、機関銃のように繰り出されるパンチの雨を避け続ける。避けられたパンチはリングの床をえぐった。 「こりゃ負けたほうが弁償だぞ」 カウンターのバーテンダーがぼそりと呟いた。 『遅い!』 クリムゾンヘッドはついにマリア阿修羅STBの懐へ到達。唯一の武装である右手のアームパンチに気爆薬を装填、相手の胸部装甲へまっすぐに叩き込んだ。 マリア阿修羅STBが吹っ飛ぶ。が、すぐに体勢を整え着地。ストロングバックスは通常のスコープドッグよりも前面装甲が分厚い。1/12といえどその特性は変わらない。ダメージが思ったほど通っていない。 『ちっ』 シエンはコックピットの中で舌打ちした。 「ドン亀が! やっちまえミソラ!」 『了解』 ミソラ阿修羅STBはベルゼルガにターゲットを合わせた。ローラーダッシュでもさほどのスピードしか出ないへヴィ級ATベルゼルガを捉えるのは容易い。 あっという間に間合いを詰め、二対のアームでがっしりと青い巨体をホールド。両のアームパンチを連打する。 「はぁっはっはっは! さすがの青の騎士もこいつはキくだろう!」 「ベルゼルガを甘く見ないで欲しいね」 舎幕はふふと笑うと、自身の神姫に命令を下した。 「ライラ、思いっきり痛めつけてやりなさい」 『ラジャー、オーナー』 ベルゼルガの図太い腕がミソラ阿修羅STBを挟み込んだ。 「何ィ!?」 そのまま、なんとベルゼルガはストロングバックスを軽々と持ち上げたのだ。 『ふんっ』 気張って一発。投げ飛ばした。マリア阿修羅STBの方向へ。 二体の阿修羅は激突し、リングのすみへ転がった。 ベルゼルガの装甲は擦り傷さえあれ、少しのへこみも見当たらなかった。 ウォォォォォォォォ ギャラリーの吼えるような歓声。スタンディングオベーション。 「すごいな」 「はい……」 マイティたちは唖然としてリングの攻防を見つめていた。 「もう君たちの負けだ。僕らには勝てないよ」 冷静な顔で舎幕が言った。こんな台詞なのに、決して気取らない、チャンピオンの風格。 「こンの小僧があぁ……」 「兄貴、やっちまおうぜ」 バックス兄弟はリングの中へ何かを次々に投げ込んだ。 阿修羅たちがそれをキャッチ、六本のうでに装備する。 スコープドッグの標準装備、ヘビーマシンガンだった。それぞれ六丁ずつ。大型のマガジンを搭載してある。 「リアルバトルに変更かい」 「そうくると思ったぜ」 舎幕、屍ケンも投げ込んだ。ただしそれぞれ一つずつ。 クリムゾンヘッドが肩に背負ったのは、見覚えのあるキャノン砲。 ハウリンの同梱武装、吠莱壱式だ。 ベルゼルガのもとには、胴体部分をくまなく覆えるような大盾が落ちてきた。中心部分には針のようなものが通っている。 「出たぞ! ベルゼルガの必殺武器、パイルバンカーだ!」 司会が待ってましたとばかりに叫ぶ。 リングをリアルバトル用の強化透明プラスチック壁が覆う。ルールはリアルバトルに変更された。 銃火器使用可能、実戦さながらの無制限バトルである。銃火器と言ってももともとはマーキング弾が飛ぶおもちゃだが、リアルバトル用の銃器はだいたいATの装甲を貫けるように改造されている。小口径と言えど銃弾が飛んでくるようなものだから、リアルバトル時にはこのような専用の防護壁がリングもしくはバトルエリアを覆うのだ。 「シエンちゃんたち、大丈夫かな……」 マイティが心配そうにマスターに聞く。 「まあ、問題は無いと思うが。あの二人の表情を見てみろ」 マスターは屍ケンたちを指差した。 「楽しそうじゃないか」 バックス兄弟は声をそろえて自らの神姫に命令した。 「蜂の巣にしてやれァ!」 『了解』 合計十二丁の銃口が向けられた。 爆音。 目がくらむほどのマズルフラッシュがリングの一角を支配した。 ベルゼルガは大盾を構えて防御の体勢をとる。クリムゾンヘッドはローラーダッシュを最大出力にし、真横に避けた。 クリムゾンヘッドの通った壁にペレットの雨あられが着弾する。壁は二重構造で絶対に貫通することは無いが、その後ろにいる観客は恐怖にかられてのけぞった。 吠莱壱式が文字通り吠える。大口径の砲弾は連射能力こそないが、移動間射撃にもかかわらず相手のマシンガンを一丁ずつ、的確に撃ち落してゆく。 最後の一丁になったとき、弾丸が切れた。吠莱壱式の方だった。このときの間合いはAT二体分しかなかった。 「ぶっ殺せ!」 容赦なく、マリア阿修羅STBは撃った。照準はコックピット。 「シエンちゃん!!」 マイティが乗り出して悲鳴を上げる。 撃たれたとほぼ同時にコックピットハッチが開放された。マシンガンの弾は誰もいないシートに穴を開けた。 ほとんど素体のままのシエンが飛び出していた。右手には同梱武装の十手が逆手に握られている。 「うおおっ!」 シエンはマリア阿修羅STBの頭頂部めがけて、十手を突き刺した。落下の勢いが加算され、刃物でないはずの十手が頭部装甲を貫通した。シエンはマリアのコアユニットをつぶす手ごたえを感じた。シエンは哀れむべき同族を楽にしてやった。 ミソラ阿修羅STBの一斉射は、ベルゼルガの大盾に勝てなかった。 「くそう、くるな、くるなよお!」 バックス弟は涙目でがなりちらす。 ゆっくり、ゆっくりと、大盾を構えたベルゼルガは近づいてゆく。 ついに六丁のマシンガンが沈黙した。 ベルゼルガは緩慢な動作で大盾を引く。中心のパイルが後退してゆく。 『許せ』 一撃。 ストロングバックスの胸部装甲を、ベルゼルガのパイルバンカーが貫いた。斜め下方から侵入したパイルは、ミソラのコアユニットを破壊しながら、ATの後頭部まで到達した。 「試合終了! 勝者は屍ケン&青の騎士、チャンピオンチーム!!」 今迄で一番大きな歓声が上がった。マスターとマイティは耳を押さえた。 試合終了後にブチ切れた兄弟がナイフを振り回して舎幕らを襲おうとしたが、門番の巨漢の黒人、ボビーに「きゅっ」と締め落とされ、放り出された。 「ありがとう、ボビー」 「オ仕事デスカラ」 ボビーは門番に戻っていった。 ◆ ◆ ◆ 「やっぱり、こっちには来ないのか?」 屍ケンが寂しそうに言った。 「悪いがあんな危険な試合はできない。マイティを戦わせるのは神姫だけで十分だ」 マスターは答えた。 「そうか……。まっ、そう言うとは思ってたけどな」 「だがいい試合だった。あのストラーフの二人も浮かばれるだろうな」 「へっ……」 「じゃあな。おれはこれで」 「なあ」 「ん?」 「お前ぇ、リベンジするんだろうな。あの片足の悪魔に」 「……」 マスターはあごに手を当てて空を見ていたが、ややあってこう言った。 「考えておくよ。マイティ、帰るぞ」 「は、はい。……じゃあね、シエンちゃん」 「ああ。またな」 こうして二組のオーナーはそれぞれの戦いへと身を投じることになる。 それはまた、別のお話。 了 先頭ページ 次へ
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デザイナー 声優 神姫解説 性格セリフ一覧 親密度○時イベントのオーナーの呼び方 神姫ハウス内コミュニケーション ステータス情報 覚えるパッシブスキル一覧 神姫固有武器補正 神姫考察 総評・運用 神姫攻略法 お迎え方 アップデート履歴 コメント デザイナー nuno(コナミ社内デザイナー) 声優 福井裕佳梨(トップをねらえ!2:ノノ、天元突破グレンラガン:ニア・テッペリン、ルーンファクトリー3:シア 他) 神姫解説 神姫バトルの黎明期に開発された、忍者をモチーフとした神姫。武装は忍び装束をベースにした柔らかなシルエットを描き出すデザインで統一され、和のイメージを色濃く描き出している。バトルスタイルも至近距離で会心の一撃を決めていく隠密タイプの戦法を得意としている。AIは寡黙かつ従順な性格付けで、主君に忠誠を誓う忍者のごとくマスターに付き従う傾向が強い。 名称:忍者型MMSフブキ(MMS Type Ninja FUBUKI) メーカー 素体:Group K2 武装:Group K2 型番:GK06N2 フィギュア発売:2008年12月26日 主な武装:忍者鎌"散梅"(文字通りの鎌だが、バトマスの分類上は小剣になっている。バトコンでは片手斬撃) 忍者刀"風花"(読みは「かざはな」。バトコンでは片手斬撃) 飛苦無"蓮華草"(読みは「れんげそう」。飛苦無(とびくない)とは、投げナイフのことと考えれば良い。なぜわざわざ「飛」とつけているのかといえば、苦無は手裏剣ではないため本来は投げないからである)。だがバトコンでは初の投擲武器として実装された。) 大手裏剣"白詰草"(読みは「しろつめくさ」。クローバーのこと。バトコンでは投擲武器。) 別名「フブキさん」「忍者子」「忍子」「フブッホ」。 元々は「バトルロンド」の初回ログイン特典キャラクターだったが、ファンからの要望により「注文数4000で商品化が決定される」というイベントが開催され、結果コナミスタイル専売にて商品化されたという経緯を持つ。 ちなみに後年のバトマスにおいても「ゲームでの登場が先でフィギュア発売が後になる神姫」はいたが、ゲーム登場時点でフィギュア発売の予定が全く存在しなかったのは本機くらいである…。 その関係からか、登場自体は神姫NETのサービスであるジオラマスタジオと同時(初登場が2006年の神姫NETジャーナルで、マオチャオ達第2弾の発売よりも前)と言えるほど古いにもかかわらず、フィギュアとして発売されたのはその2年以上後(2008年12月)という長い間があった。 それだけにリアル世界でも根強いファンが多く、中にはガレージキットの専用武装や、果てはチタン製素体ボディまで創ってしまった剛の者すらいるという。 ちなみに愛称のうち「フブッホ」とは、漫画「武装神姫2036」でフブキ初登場時の自己紹介時に転んで雪に顔を突っ込んでしまい、その時の悲鳴?をマオチャオハウリンやら周りにネタにされたのが由来。 無印版の早期予約特典として「忍襟布”陽炎”」が付属。 無印版の腰帯は腰の固定がややきつく破損報告が相次いだため、その後の再生産版「黒き翼Ver.(2009年12月18日)」では、一部塗装などの仕様変更と共に修正されている。 黒き翼Ver.とほぼ同時に発売されたリペイントモデル・ミズキの他、FRONT LINE社の協力で後継機として開発されたフブキ弐型およびリペイントモデルのミズキ弐型が存在する。共にコナミ内製の武装神姫最後の新作であったが、何故かnuno氏ではなく島田フミカネ氏によるデザインとなっており、発表当時は少なからず物議を醸した。 余談ながらこのフブキ/ミズキ弐型の発売(2012年2月23日)から約1ヶ月後、アーンヴァルMk.2テンペスタ/ストラーフMk.2ラヴィーナの両フルアームズパッケージの発売(同年3月15日)をもって、コナミ内製の武装神姫フィギュアはひとまず展開終了となった。 立体としての武装神姫の“復活”は7年後、模型メーカー・コトブキヤによるエーデルワイスの登場を待たなくてはならない。 展開初期以来の人気神姫だけに、公式媒体にもかなりの確率で出演(カメオ及び装備だけの登場も含む。完全に出ていないのはノベライズ版「神宮司シリーズ」くらいか)。 アニメ版においても、セミレギュラー「フキ」として声つきで出演している。 ちなみに後継機のはずの弐型たちはといえば、その登場時期があまりにも遅過ぎた(当時既にバトルロンドはサービス終了している)せいで、ほとんど出番がない様子。バトコンでの救済が期待されるところである。 性格 命令に対しては常に従順、かつ寡黙で必要以上のことをしゃべろうとしない。 最初は他人行儀な物言いだが、Loveが上がるにつれて感情を表に出すようになっていく マオチャオ型を前に「可愛いにゃー…」と口走ってしまったり、台詞を途中で噛んでしまったり、バトル中に「ニンニン…」と呟くなどの一面も。 セリフ一覧 + 白神流忍術の名にかけて! ログイン時 通常(朝) おはようございます。朝からお顔を拝見出来て幸せです。では、何をしましょうか? おはようございます。朝早くから私と過ごしていただいて、嬉しく思います。今日も1日、頑張ります。 通常(昼) こんにちは。ご用がありましたら、何でも言って下さい。では、よろしくお願いします。 こんにちは。…あ、あの、その、…いえ、何でもありません。気にしないで下さい。 通常(夕) こんにちは。お腹は空いてませんか?おやつを出せる忍法を習得中ですので、もう少々お待ち下さい。 こんにちは。そろそろ日が暮れそうですね。明るいうちに出来る修行で、更なる鍛錬に励みましょう。 通常(夜) こんばんは。日も暮れて参りましたが、バトルの火は消えません。張り切って参ります! こんばんは。私は忍者ですので、暗闇での任務はお任せ下さい。では、命令をどうぞ。 通常(深夜) こんばんは。夜遅くまで鍛錬なさるとは、頭が下がります。私も、戦績に泥を塗らぬよう努めて参りますので。 こんばんは。夜遅くまで修行とは、流石です。私も、白神流忍術でバトルを盛り上げて参りますからね。 年始 あけましておめでとうございます。(プレイヤー名)の抱負が達成されるよう私も陰ながら応援させていただきますので…! (ボイス) あけましておめでとうございます。こうしてまた、一緒に新年を迎えられて、嬉しいです。未熟者ではありますが、本年も、宜しくお願いします。 バレンタイン あの…こちら…よろしければお受け取り下さい。大好きな方に、チョコなるものをお渡しすれば、願いがかなうと聞きましたので。 ホワイトデー このプレゼントは…あ、先日のバレンタインの、お返しなのですね。私なんかにいただけるなんて、思ってなかったので、とっても幸せです! エイプリルフール ゴールデンウィーク 夏季 暑くなって来ましたね。しかし、『心頭を滅却すれば火もまた涼し』といいます。私もお供しますので、一緒に耐え忍びましょう。 水着キャンペ ただいま期間限定イベント開催中です。特別に水着を着て戦うようですが…は、恥ずかしいので、私はドロンします! 七夕 ハロウィン お気をつけ下さい、何だか街中物の怪で溢れかえっております。え、ハロウィン?そいつが悪の親玉なのですね 冬季 寒くなって来ましたね。しかし、私達忍者は、堅忍不抜の精神で、厳しい冬も修行をおこなっているのです。良ければ、ご一緒にどうですか? クリスマス クリスマスには毎年子供たちのためにプレゼントを配るサンタという赤い忍者がいるそうです。なんでも一度も配る姿を見られたことがないとか…。その極意、私にも教えてほしいものです…! (ボイス) め、メリー…クリスマス!この言葉を、大切な方にお伝えすれば、特別な一日を、一緒に過ごす事が出来る。とか…私と、二人っきりで過ごしていただけないでしょうか。 神姫の発売日 オーナーの誕生日 お誕生日おめでとうございます。わたしなんかが言うのもおこがましいですが…良い1年になることを、お祈りしております。 神姫ハウス 命名時 呼び方変更 (→決定後) レベルアップ後 MVP獲得 3連勝後 親密度Lv5後 親密度Lv10後 親密度Lv20後 親密度Lv30後 親密度Lv40後 親密度Lv50後 親密度Lv60後 親密度Lv70後 親密度Lv80後 親密度Lv90後 親密度Lv100後 頭タッチ(親密度0~19) (親密度20~39) (親密度40~59) (親密度60~79) (親密度80~) 胸タッチ(親密度0~19) (親密度20~39) (親密度40~59) (親密度60~79) (親密度80~) 尻タッチ(親密度0~19) (親密度20~39) (親密度40~59) (親密度60~79) (親密度80~) 通常会話 武装カスタム 戦闘力Up時 戦闘力Down時 武器LvUP時 素体カスタム 親密度LvUp時 限界突破時 出撃時 入れ替え バトル開始時 貴方達に恨みはありません。私はただ、任務を遂行するのみ → バトル中 撃破時 コンテナ入手時 被弾時 オーバーヒート時 スキル発動時 (能力強化系) (HP回復系) (デバフ系) (攻撃スキル) チャーミークリアボイス まいります。白神流 忍術 魅惑の 舞です ニン ニン! 被撃破時 次出撃時 サイドモニター 応援時 交代時 被撃破時 バトル終了時 1位 → 2位 → 3位 → 4位 → コンテナ獲得時 1位 2位以下 LvUP時 神姫親密度 マスターレベル 神姫ショップお迎え時 はじめまして。私なんかでがっかりしていないでしょうか。ご期待に沿えるよう、頑張ります。 はじめまして。これから、命を懸けてお仕えさせていただきます。今後とも、よろしくお願いします。 ゲームオーバー時 バトル、お疲れ様でした。次の任務もまた、私にご命令をいただけると嬉しいです。それでは、次の出陣命令、お待ちしています。 その他 カラフルコンダクト 超忍法 白神流の名にかけて 完璧に 仕事を果たしますよ 密やかに 思いを抱いてます + リセット開始 神姫の想い、大切に。 + 選択した神姫をリセットします。よろしいですか? リセット開始 え…リセットですか?すみません、私の聞き間違いだと良いのですが…もう一度仰って頂けますか? はい を押す っ!そうですか。無礼を承知で言わせて下さい。考え直しては頂けませんか?修行してもっと強くなりますから。離れたくないんです!あたし… はい を押す(二回目) そうですか…そこまで意志が固いのであれば、仕方ありません。未熟なあたしが全て悪いのですから…今までお世話になりましたっ!ではお達者で…! リセット完了 はじめまして。これから、命を懸けてお仕えさせていただきます。今後とも、よろしくお願いします。 リセット取消 止めて頂けるのですか?御慈悲を頂き、有り難うございます。失望されないように今後も精進していきます! 親密度○時イベントのオーナーの呼び方 マスター・お屋形様・お兄様 神姫ハウス内コミュニケーション ステータス情報 親密度Lv1 ATK DEF SPD LP BST N 30 35 100 350 150 R 35 40 110 400 200 SR 40 45 120 450 250 UR 45 50 130 500 300 親密度Lv100 ATK DEF SPD LP BST N - - - - - R - - - - - SR - - - - - UR - - - - - マスクステータス 1/s ジェム回収展開速度 ブースト回復量 ダッシュ速度 ダッシュ時ブースト消費量 ジャンプ時ブースト消費量 対空時ブースト消費量 防御時ブースト消費量 N 1640 160 1230 95 60 20 120 R 1320 115 80 40 130 SR 1410 135 100 60 150 UR 1500 155 120 80 170 覚えるパッシブスキル一覧 忍びの技術【フブキ専用】ダッシュスピードと弾速アップ 早熟型のパターンで覚えるパッシブスキル よろけ軽減[小]よろけの行動不能時間が短くなる 攻撃力アップ[小]攻撃力を上げる ブーストアップ[小]ブースト時の移動スピードアップ 防御力アップ[小]防御力を上げる スピードアップ[小]移動する際のスピードを上げる 攻撃スピードアップ[小] *要限界突破(L110)攻撃時のスピードが上がる ため時間減少[中] *要限界突破(L120)ため時間を減少する 通常型のパターンで覚えるパッシブスキル 攻撃スピードアップ[小]攻撃時のスピードが上がる 遠距離攻撃追加ダメージ[小]遠距離武器の攻撃にダメージを追加 ブーストアップ[小]ブースト時の移動スピードアップ よろけ軽減[小]よろけの行動不能時間が短くなる 体力最大値アップ[小]体力の最大値を上げる 防御力アップ[小] *要限界突破(L110)防御力を上げる 攻撃力アップ[中] *要限界突破(L120)攻撃力を上げる 晩成型のパターンで覚えるパッシブスキル 攻撃力アップ[小]攻撃力を上げる 攻撃スピードアップ[小]攻撃時のスピードが上がる 射程増加[小]攻撃距離が伸びる ブーストアップ[小]ブースト時の移動スピードアップ ため威力増加[中]タメ攻撃の威力を上げる ため時間減少[小] *要限界突破(L110)ため時間を減少する ダッシュブースト消費量減少[中] *要限界突破(L120)ダッシュする際のブースト消費を減少する 神姫固有武器補正 ※レアリティが上がる毎に得意武器は-5%、苦手武器は+5%される。数字はレア度Nのもの。 得意武器 +30% 片手斬撃武器・投擲 苦手武器 -30% 双斬撃武器・両手斬撃武器・格闘打撃武器・双頭刃斬撃武器・片手ライトガン・腰持ちヘビーガン・肩持ちヘビーガン -70% 下持ちヘビーガン 神姫考察 攻撃力 神姫自体のATK値は低く、パッシブスキルの補助込みでもかなり低い。得意武器の片手斬撃武器でATK値を増やせるが、当てにくいのが難点。唯一の遠距離武器である投擲は当てやすいがATK値と射程が難点。総じて攻撃面は低め。 防御力 神姫自体のDFE値は低く、パッシブスキルの補助込みでもかなり低い。当たらない立ち回りを。 機動力 神姫自体のダッシュスピードがかなり速く、ラプティアスと同速で全神姫中最速。しかも実質常時発動の専用スキルでさらにダッシュスピードが約10%上がるため、全域フル稼働のラプティアスに次ぐ速さとなる。 各種ブースト消費が大きめだが、この速さを考えたらお釣りが出るレベル。 総評・運用 速い。以上。 本当にそれしかなく、火力はないわ脆いわでフブキらしいと言えばそうだが…。 専用スキルはダッシュスピード約15%アップ、弾速約20%?アップ。 一撃離脱もがん逃げも圧倒的スピードで難なくこなせるが、一回のミス(被弾)が致命傷になりやすい。 忍者らしく基本は隠密重視で立ち回り、ここぞという場面(LPが少ない神姫に止めを刺す等)で強襲。すぐさま離脱の一撃離脱を常に心がけたい。ちょっとでも欲張るとカウンターで痛い目に遭うので、仕掛けるのに失敗しても直ぐに離脱しよう。 機動力があるので一人に追われても難なく凌げるが、流石に複数人に追われると逃げ場所が無くなってあっけなく撃破されてしまいやすい。 順位や立ち回りには細心の注意を。 慣れないと思ったら機動力は落ちるが近接武器メインならアルト姉妹を、遠距離武器メインならアークも検討しよう。 神姫攻略法 機動力だけは本当に高い。逃げに徹せられるとタイマンで追える神姫は一握りに限られているので、全員で狙う状況を作らないといけない。 逆に攻め続けないといけない状況には弱いので、相打ち覚悟で両手斬撃や双頭刃などのよりダメージが高い武器を当てられればたいていはこちらのが有利になる。純粋な殴り合いにも弱いのは向こうも承知かつ避けたいので、攻めて来る頻度が落ちるのも利点。 お迎え方 2021/10/8~から神姫ショップに登場 アップデート履歴 2021/11/15 10 00~ 黒き翼Ver.の武装(「極意之巻物」「面隠し"闇狐" + 極意之巻物」「忍装束"紫苑" + 忍襟布"陽炎"」「忍者摺"紫蘭" + 黒き翼」「忍者摺"紫蘭" + コンしっぽ + 黒き翼」)追加 コメント コメント失礼します フブキさんお迎えまで...毎回五連回して35連目にして初Rでお迎え その後追加80連目にしてようやくURでお迎え出来ました -- AKA (2021-10-16 23 10 50) カラフルコンダクト 訂正依頼 一番上のは 超忍法 白神流の名にかけて -- 名無しさん (2022-02-04 19 51 11) 燃焼ポットで飛行逃げ撃ちすると強い -- 名無しさん (2023-05-07 19 29 34) 名前 コメント
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声優 デザイナー 神姫解説 性格セリフ一覧 親密度○時イベントのオーナーの呼び方 神姫ハウス内コミュニケーション ステータス情報 覚えるパッシブスキル一覧 神姫固有武器補基本補正 神姫考察 総評 神姫攻略法 お迎え方 アップデート履歴 コメント 声優 野川さくら(D.C.P.S. 〜ダ・カーポ〜 プラスシチュエーション:朝倉音夢、ローゼンメイデン:雛苺、ストライクウィッチーズ:エーリカ・ハルトマン、クレヨンしんちゃん:もえP、他) デザイナー ちびすけマシーン(近作は「CANDY METEOR」名義でのオリジナルフィギュア・ガレージキット「WR-7/宇宙うさ」シリーズ) 神姫解説 アイドルをモチーフとした異色の神姫。バトル参加だけでなく、実際に神姫アイドルとして各種イベントの仕事もこなしている。見た目はバトルに不向きそうに見えるが、トリッキーな攻撃の数々を生み出す武装が充実している。AIは芸能界の荒波を生き抜く我の強いタイプの設定。計算で天然キャラを演じたりもする。 名称:蝶型シュメッターリング(ちょうがたしゅめったーりんぐ) メーカー 素体:Production Fairies 武装:Production Fairies 型番:PF07B フィギュア発売:2007年11月29日(第7弾EXウェポンセット) 主な武装:マルレーン712(マイクにグリップを装着したハンドガン。モーゼルC96を模している。本作では片手ライトガン) ポシェットマイン(マイクスタンドの土台部分。グリップ付いてあり、投擲地雷としても使用可能。本作では何故か未実装) マイクスタンド(マイク・グリップ・支柱・ポシェットマインの四点構成。本作ではマルレーン712を装着した状態で片手打撃武器と回復・補助武器の二種を実装) ラヴリーバルカン(手首に装着可能な武装。本作ではアームパーツにラヴリーバルカン有り無しの二種類が実装) スウィートブラスター(太ももに装着可能な武装。本作ではレッグパーツにスウィートブラスター有り無しの二種類が実装) ハンドニュークリア(ハンディサイズの核爆弾、本作では未実装。倫理的な意味で今後も実装は怪しい) ペットロボ「ラビボン」(主にラヴリーバルカン・スウィートブラスター・ハンドニュークリアから構成されたAI搭載型オプション兵器。残念ながらバトマスでは未実装。本作ではアクティブスキル「チャーミークリアボイス」でのみ拝見できる。) (※武装から戦争物を連想させるのは、デザイナーの意向によるもの。 原案ではラビボンの構成パーツに耳当てがあり、フィギュアでは耳と髪の毛で無理やり挟む形で再現できる。) 武装神姫第7弾。愛称「シュメ子」「蝶子」「シュメったん」「(アイドルだから)アイ子」「シュメッターハンマー」。 同時発売されたアークとイーダのフルセットと同様、武装神姫シリーズ初のクリアパーツを採用しているが、素体を持たない「EX」シリーズとして発売されたため、別個にMMS素体(1st/NAKED FLESH Ver.2を推奨)を調達する必要がある。 武装神姫全体の中でも際立って個性的な要素を持つためか、様々な逸話が存在する。 + 初回生産時の有名な話はこちら 初回生産分においては、デザイナーとメーカーの連絡の行き違いが原因で、頭部のリボンの向きが本来のデザインとは外内逆になって取り付けられるというミスが存在する。 本件はデザイナー自身が個人サイトで告知したことにより明らかになったが、メーカーからの告知は一切行われておらず、修理や交換も行われていない。 該当箇所は接着こそされていないものの、パーツへの塗料の癒着により、取り外しが困難な場合がある。 二次生産分からはリボンの向きが本来の向きに修正され、一部の素材も変更された。 また、デザイナー本人の手製ガレージキットとしても、他の神姫にはない独特の展開を持つ。 + その最たるものは… その最たるものは、公式誌「武装神姫マガジンVol.1」でも紹介された神姫アイドルユニット「リトルリリィ」。 シュメッターリングの純正装備を前提とした頭部のみのバリエーションキットだが、中には製品版シュメッターリングの「本来のデザイン」たるバージョンや、グラップラップの翻案版も含まれていた(現在は「解散して普通のロボ少女になっている」との事)。 ちなみに、現在展開されている「宇宙うさ」シリーズにしても、元々はリトルリリィ同様のMMS素体用ガレージキットだったものが、武装神姫公式展開の停止を受けて独自開発された素体「WR-7」によって進化を遂げたものである。 もはや武装神姫ではなく完全なオリジナルガレージキットとなってしまったが、その一方でこれまた独特のファン層を構築しており、新作再販問わず頒布即完売となるなど、現在でもその人気は高い。 フロントライン神姫たちの系譜がエーデルワイスへと受け継がれているように、シュメッターリングの系譜もまた「宇宙うさ」達に受け継がれているのだ。 本作中での彼女の素体デザインは、バトロン時代のそれを概ね引き継いでいる。 フィギュアでは素体が基本的に「素っ裸」である都合でか、ピンクと白のいわゆる「しまぱん」を着用しており、バトロン当時は素体状態から武装する時にフィギュア準拠へと変化していたが、バトコンでは(昨今の情勢を反映してか)スカートの下はしまぱんではなく、アンダースーツのままとなっている。 こうした理由もあってか、実神姫に布服を着せて愛でるマスターの率も総じて高め。 そのバトロン当時は武装神姫中トップクラスの頭の大きさがよくネタにされていたが、本来想定されていたプロポーションを3rdSmall素体が存在しなかった時点で実現するには是非もない事であり、生まれた時代が早すぎた神姫とも言える。 ただ、実は初期神姫の一角たるハウリン/マオチャオの時点で、一部パーツがやや短めに修正されてはいたものの結果的に似たような状態となっており、結局3rd素体登場後のパーティオ/ポモック(共に本作未実装)で本質的解決を見ている。 ちなみに後年の3rdSmall神姫でも蓮華やガブリーヌはデザインと武装の兼ね合い上から、ベイビーラズは頭部武装ギミックの関係から、共にシュメッターリングに比肩するか上回る頭の大きさとなっている。 その「本来想定されていたプロポーション」の再現を意図して3rdSmall素体へと素体換装したユーザーの存在も若干ながら確認されているが、そもそも1st素体と3rd素体の間には微妙な仕様の相違があるため、主に武装への不可逆改造が必須となる。 + 具体的には… 3rd素体には一応1st胸部武装用のアダプターが付属しているのだが、装着すると前後幅が広くなる上、特にシュメッターリング用武装の場合は1st素体にある背中のネジ穴も接続するために必要なところ、3rd素体にはこのネジ穴がないという問題があるため、前述アダプターを加工の上武装と接着した方がよい。 更に、腰回りがより小さくなる分スカートもブカブカになってしまうため、プラ板やプラ棒でアダプターを作ってやるか、思い切って接続ピンを切ってしまうかする必要がある。 なお、1stと3rdでは首関節の軸径もコンマミリ単位で違う上、3rdでは首パーツの材質が軟質樹脂からABS樹脂に変更されてしまったため、軸を少しだけヤスっておかないと後で割れ砕けてしまう結果に繋がりやすい(これは、1st素体の神姫を3rd素体に転換する上で共通する問題)。 本作では前述「本来のプロポーション」が再現されたため、気持ち他の神姫より少なめな頭身となっている。 過去のゲームにおいては、唯一バトロンに実装されていたのみ。 その他の作品には最後まで実装される事がなく、コミック「2036」でもいつの間にか姿を消していたり、アニメ版に至ってはモブとして登場するに留まるなど長らく不遇の身だったが、今回めでたくもバトロン当時の持ち歌「グローイング・ラブ」を引っ提げて再登板する事となった。 + 「グローイングラブ」とは… 「グローイングラブ」とは、武装神姫バトルロンドにおいて使用できるバトルモード「ソングフォーユー」をシュメッターリングで用いた場合に流れる、彼女の「持ち歌」。 (このバトルモード自体はシュメッターリング用武装を揃える事が使用条件だが、他の神姫で使用した場合は伴奏だけしか流れない) 発動している間は相手のスキルを使用禁止とし、更に専用追加攻撃「胸キュンショット」が入れば相手を魅了状態とし身動きを封じる事が出来る他、相手の距離が近い程被ダメージを減らしたりと、当時はそのカオスさに見合わぬ強力さで猛威を振るった。 バトロン当時は1番か2番どちらかしか聞く事が出来なかったが、本作ではフルで歌ってくれる。 バトルステージのBGMを「グローイング・ラブ」に変化させる条件については、「マメ知識・仕様・小ネタ」の項を参照。 性格 既に芸能界を生き抜いたタフな印象を受ける性格。 アイドルとバトルの二つをこなしつつ、オーナーとファンの気配りもしっかりこなすアイドルの鑑。 本作では親密度アップに伴い、オーナーとの二人三脚によるアイドルとしての成功の道のりを見て行く事が出来る。 セリフ一覧 + これからも応援よろしくね☆ ログイン時 通常(朝) おはようございまぁーす!わたしの出番だね?待ってましたぁ! おはよう!今日も1日、ノリノリでがんばりまぁーす! 通常(昼) みんなー、元気ぃ?今日も、ノリノリでいくからねー! あー、あー。ただいまマイクのテスト中~!あ、マイクのボリューム、上げてくれる? 通常(夕) こんにちわ!ねぇねぇ、一緒に歌ってくれる?いち、にい、さーん!……もぉ~、ちゃ~んと歌ってよぉ~! おかえり~!何すればいい?早速だけど、一曲披露しちゃう? 通常(夜) いらっしゃ~~~い!スペシャルライブ・夜の部!はじまるよ~~~!! こんばんは!今からわたしの出番?てへへへ、なんでもやっちゃうよ~! 通常(深夜) こんばんは!ボイストレーニングだと、はりきっちゃうんだけどな… こんばんは!夜遅くまで歌の練習に付き合ってくれて、ありがとう。よーし、がんばっちゃうぞぉ! 年始 あけましておめでとう!今年も最初っから盛り上げちゃうから、しっかりついてきてねー! (ボイス) あけまして、おめでとうございまーす!今年こそ年末の歌番組に出られるよう、がんばるぞー! バレンタイン アイドルだから、本当はダメなんだけど……チョコ、あげちゃうね。みんなには、ナイショだよ ホワイトデー えっ、お返し?ファンに見られるとまずいから、あとでこっそり頂戴ね♪ エイプリルフール (未実装) ゴールデンウィーク (未実装) 夏季 暑い季節は、野外でフェスとかもいいなぁ~。盛り上がること間違いなし! 水着キャンペ ただいま期間限定イベント、開催中でぇ~す!特別に水着でライブしちゃうから、絶っ対見に来てね! 七夕 七夕限定ライブ!○○(プレイヤー名)の願いかなえちゃうよ! ハロウィン ハロウィンだから、きっとすごい衣装が着られるんだよね?わくわく! 冬季 寒くなってきたから、ファンをがっかりさせないためにも、喉のケアを最大限にしないとね! クリスマス メリークリスマス!わたしの特別ライブ招待券○○(プレイヤー名)だけにあげちゃうね! (ボイス) メリークリスマス~!今日だけ特別な、限定ライブを見せちゃおっかな? 神姫の発売日 今日はわたしの発売日だよ!盛大なパーティーをするから○○(プレイヤー名)も参加してね♪ オーナーの誕生日 誕生日おめでとう!わたしの笑顔が、最っ高のプレゼントでしょ?えへっ♪ 神姫ハウス 命名時 ん~、ステキな名前!それにキ・マ・リ♪ 呼び方変更 ○○(プレイヤー名)、呼び方を変えてみない?もっとファンになれると思うの♪ (→決定後) ○○(プレイヤー名)ね。りょうかーい♪ レベルアップ後 レベルアップだよ!○○(プレイヤー名)が応援してくれたおかげだね!これからもずっとわたしだけのファンでいてね。 MVP獲得 わーい!わたしがMVPだって!最優秀大人気アイドルってことでいいよね? 3連勝後 3連勝おめでとうー、○○(プレイヤー名)!これはもうわたしたちがアイドル界を席巻したといっても過言じゃないよね? 親密度Lv5後 ねぇ、○○(プレイヤー名)?今度の新曲、こんな感じで歌ってみたんだけどどうかな?ファンとしての率直な意見をお願い! 親密度Lv10後 ふんふん。出だしはもっと心を込めて…。サビは相手を思いやって…。なるほどね、やってみる! 親密度Lv20後 この間のアドバイスの通りに歌ったら新曲チャート1位になっちゃった!これも○○(プレイヤー名)のおかげだよ! 親密度Lv30後 ねぇ、○○(プレイヤー名)?今度は振り付けなんだけどどんなのがいいかな?大ファンとしてのアドバイスをお願い! 親密度Lv40後 ふんふん。Aメロは情熱的に…。間奏はアグレッシブに…。なるほどね、やってみる! 親密度Lv50後 この間のアドバイスの通りに踊ったらMVのPVが爆上がりしちゃった!これも○○(プレイヤー名)のおかげだよ! 親密度Lv60後 ねぇ、○○(プレイヤー名)?今度はライブの演出なんだけど何か斬新な演出とかないかな?親衛隊としての提案をお願い! 親密度Lv70後 ふんふん。最初は稼動ステージを使って…。終盤はプロジェクションマッピング…。なるほどね、やってみる! 親密度Lv80後 この間のアドバイスの通りにやったら話題になってチケットが爆売れしちゃった!次のライブに招待するね! 親密度Lv90後 みーんなー!わたしのライブにようこそー!今日は一番大切な人のために歌うからちゃんと聞いててねー![修正]いつも応援ありがとう!今日も盛り上がっていこうねー! 親密度Lv100後 今日のライブも大成功だよ、○○(プレイヤー名)!これからもわたしと一緒にバトルもライブもよろしくね♪ 頭タッチ(親密度0~19) うふふ。アイドルのお触りは厳禁だよ? (親密度20~39) うん?わたしの頭がどうかした? (親密度40~59) ゴメンね。せっかくのヘアーセットが崩れちゃうから。 (親密度60~79) うふ、何だかくすぐったいよ~。 (親密度80~) うふふ。撫でていいのは○○(プレイヤー名)だけなんだからね。 胸タッチ(親密度0~19) ひゃあ!ちょっとー!どこ触ってるのよ! (親密度20~39) ひゃ!コラー!わたしはアイドルなんだからね! (親密度40~59) ちょ、ちょっと!間違って触ったわけじゃないよね?! (親密度60~79) も、もう…!恥ずかしいからダメだよ…! (親密度80~) ○○(プレイヤー名)だけのアイドルだからみんなには秘密だよ…? 尻タッチ(親密度0~19) ちょ、ちょっと!写真に撮られちゃったらどうするのよ! (親密度20~39) きゃあ!そ、そんなことしたらスキャンダルになっちゃうよ! (親密度40~59) もう!そんなことしたらダメでしょ!アイドルなんだよ! (親密度60~79) も、もう…!みんながいるからこんなとこじゃダメだってば! (親密度80~) ○○(プレイヤー名)…。今はアイドルなんだからオフの時にね。 通常会話 バトルはもちろんボイストレーニングもがんばっちゃいまーす! ファンのみんなが驚くライブをやりたいな~。○○(プレイヤー名)。何かいいアイデアないかな? わたしの好きなこと?それはもちろんファンのみんなの笑顔を見ることだよ。うふふ。 アンコールかな?みんなの期待に応えちゃうよー! こないだね、ファンからサイン求められちゃった。やっぱりアイドルのオーラは消せないのかな?うふふ。 ねぇ○○(プレイヤー名)。わたしの得意な武器って知ってる?楽器だよ!だってアイドルだからね♪ ○○(プレイヤー名)の推しは誰なの?もちろんわたしだよね?じゃあ大きな声で言ってみよう。せーの! ○○(プレイヤー名)。わたしにお願いとかある?特別に何でも聞いちゃうよ? 今度の新曲の振り付けどうかな?また人気が出ちゃったらゴメンね♪ みーんなー!わたしのライブにようこそー!いつも応援ありがとう!今日も盛り上がっていこうねー! ん?なぁに~? 武装カスタム 戦闘力Up時 これこれ!こうでなくっちゃ! 戦闘力Down時 これでファンの皆が、喜んでくれるかなぁ? 武器LvUP時 これこれ!こうでなくっちゃ! 素体カスタム 親密度LvUp時 日頃のレッスンの賜物だね! 限界突破時 やったぁ!新しいステージに、立っちゃうよ~! 出撃時 キャラ入れ替え みんなー!準備はいーい?盛り上がっていっちゃうよぉー! バトル開始時 みーんなー!こーんにーちはー!頑張るぞ、応援よろしくね! 歌はもちろん、バトルでも負っけなーいよー! → 君たちに会えてわたしもうれしいよ~ バトル中 撃破時 台本どーりっ! あはは!痛かった?ごめんねー。 コンテナ入手時 コンテナゲット!いぇい! 被弾時 ぶーぶー!ステージが台無しだよ! オーバーヒート時 ぶーぶーぶー!ちゃんと管理しといてよね! 回復時 回復ぅ~♪ スキル発動時 (能力強化系)盛り上げて行くよー! (HP回復系)応援、ありがとー! (デバフ系)盛り下がっちゃえー! (攻撃スキル)カメラさぁーん!ここ見せ場だからね! (チャーミークリアボイス)見て見てー!みんなの スーパー アイドル オンステージ! 被撃破時 あーん!勝手に幕を下ろさないでよー! ぶー!もうやだ!帰る! 次出撃時 アンコールありがとー♪ サイドモニター 応援時 がんばれー! すごいすごーい! 交代時 いってらっしゃーい! よーし、いっくよー! 被撃破時 ごめんね… 頑張った、頑張ったよ… バトル終了時 1位 いぇいいぇい!勝っちゃったよー!この勝利を、ファンの皆に捧げます!! ファンのみんなー!こんなに応援、ありがとーう!! → ファンのみんなー!応援、ありがとーう!声援、わたしに届きました!! 2位 あーん残念!もうちょっとだったのにぃー! わたしがトップアイドルじゃないなんて、ウソでしょう? → 次のステージはもっと頑張るから、応援、よろしくね! 3位 むにゅう~、これからだったのにぃ。くやしいよぉ! え、えとぉ、出来が悪い子ほど、可愛いって、言うよね?言わない? → こんな結果じゃ、ファンも喜ばないよねぇ?もっと頑張らないと… 4位 私のステージ、つまらなかった?むにゅう、ちょっとショック… → レッスン頑張るよ。もっと応援、よろしくね? カラフルコンダクト 付いて来て みんなのアイドルだよ コンテナ獲得時 1位 プレゼント貰ったから、はい。どうぞ! 2位以下 あのぉ、怒ってるぅ?…あ、でもでもぉ、ファンがプレゼントくれたよぉ。いっしょに開けよっ! レイド終了時 成功 ファンのみんなー!こんなに応援、ありがとーう!! 失敗 こんな結果じゃ、ファンも喜ばないよねぇ?もっと頑張らないと… LvUP時 神姫親密度 はぁぁー…私いま、すっごい幸せ! マスターレベル やったね!私への声援がもーっと大きくなるように、ボイストレーニング、一緒にしよっ? 神姫ショップお迎え時 わたしの限定ライブにようこそ~!さぁ早く早く!始まっちゃうよぉ~! えへへへ。わたしの出番だね、待ってましたぁ~!これからよろしくね! ゲームオーバー時 わたしのライブ、どうだったぁ?また会える日を楽しみにしているね。じゃあねー、バイバーイ!! その他 + リセット開始 神姫の想い、大切に。 + 選択した神姫をリセットします。よろしいですか? リセット開始 えっ!?ドッキリ…だよね?カメラはどこ? はい を押す ああっ…イヤだよぉ!せっかく出会えたのに!忘れるなんて出来ないよ! はい を押す(二回目) 生まれ変わっても、またアイドルになるよ。今まで応援、ありがとう… リセット完了 わたしの限定ライブにようこそ~!さぁ早く早く!始まっちゃうよぉ~! リセット取消 もうー!子供だと思ってバカにしてる!?そんなウソには、引っ掛からないんだからねー! 親密度○時イベントのオーナーの呼び方 マスター・プロデューサー・お兄ちゃん 神姫ハウス内コミュニケーション LV70~LV79 頭 防御 胸 LP LV80~LV89 頭 攻撃 胸 ブースト 尻 攻撃 ステータス情報 親密度Lv1 ATK DEF SPD LP BST N 30 30 90 300 300 R 35 35 100 350 320 SR 40 40 110 400 340 UR 45 45 120 450 360 親密度Lv100 ATK DEF SPD LP BST N 38 38 93 380 330 R 43 43 103 430 350 SR 48 48 113 480 370 UR 53 53 123 530 390 マスクステータス 1/s ジェム回収展開速度 ブースト回復量 ダッシュ速度 ダッシュ時ブースト消費量 ジャンプ時ブースト消費量 対空時ブースト消費量 防御時ブースト消費量 N 1750 160 960 85 50 20 70 R 1050 105 70 40 90 SR 1140 125 90 60 110 UR 1230 145 110 80 130 覚えるパッシブスキル一覧 カーテンコールシュメッターリング専用パッシブ。次の神姫の出撃時間が短縮。生存時ブーストゲージ量アップ効果。 攻撃力アップ[小]攻撃力を上げる ジェムの出す量軽減[小]敵に攻撃された際にジェムの出す量を少なくする 早熟型のパターンで覚えるパッシブスキル ダウン軽減[小]ダウン時の行動不能時間が短くなる 追加ダメージ軽減[小]敵からの追加ダメージを軽減する スピードアップ[小]移動する際のスピードアップ ダッシュブースト消費量減少[小] *要限界突破(L110)ダッシュする際のブースト消費を減少する 防御力アップ[中] *要限界突破(L120)防御力を上げる 通常型のパターンで覚えるパッシブスキル 防御力アップ[小]防御力を上げる 体力最大値アップ[小]体力の最大値を上げる 攻撃スピードアップ[小]攻撃時のスピードが上がる ブーストアップ[小] *要限界突破(L110)ブースト時の移動スピードアップ ため威力増加[中] *要限界突破(L120)ため攻撃の威力を上げる 晩成型のパターンで覚えるパッシブスキル 防御力アップ[小]防御力を上げる クリティカル発生アップ[小]クリティカルが出る確率が上がる スピードアップ[小]移動する際のスピードアップ ため威力増加[小] *要限界突破(L110)ため攻撃の威力を上げる ため時間減少[中] *要限界突破(L120)ため時間を減少する 神姫固有武器補基本補正 ※レアリティが上がる毎に回復・補助は-10%、それ以外の得意武器は-5%、苦手武器は+5%される。数字はレア度Nのもの。 得意武器 +60% 回復補助 +30% 片手打撃武器・片手ライトガン・防具用武器 苦手武器 -20% 下持ちヘビーガン 神姫考察 攻撃力 必ず攻撃力アップを覚えるがそれでも全体の中では低い方。 しかも得意武器が防具用武器以外どれも火力に乏しいときている。そもそも得意武器の少なさが大問題。 回復・補助武器も補正が高いとはいえ、レイドならまだしも対人では産廃中の産廃ときた…。 よって総合的に見てもかなり火力は低い部類に入る。この際開き直って専用パッシブスキルを利用した相討ち覚悟の立ち回りで戦場を引っ掻き回していくという戦法も。 防御力 通常型が防御力と体力を上げてくれるが、それ込みでも全体の中では脆い方。 当たらない立ち回りをしたいところだが、肝心のスピードはというと…。 逆に個体値などで防御面が高くなる場合、今度は専用スキルを活かしにくくなるというジレンマを抱えている。 機動力 元から高いBST値に専用スキルの上方で全神姫中最高のブースト量を得たため、多少無茶しても圧倒的BST値でカバーしきれる。 しかしダッシュスピードの方は全神姫中最底辺なので、高機動神姫相手に無理はできない。 BST値を伸ばして特化させるか、ATK値やDFE値などに回してバランスを取るか。 総評 BST値においては本作登場の神姫の中でも他の追随を許さない最高レベル。特徴的な専用スキルで他の神姫と差別化していきたい。 片手打撃武器の存在は忘れて良い。賑やかしのマイクスタンドは回復・補助で足りている。 専用スキルは確実発動。被撃破時の交代にかかる時間を約1/3に軽減。あくまで彼女から次の神姫への交代時間を短縮するだけで、全ての神姫間の交代時間が短縮されるわけではない。更に追加される「BST値20%アップ」はステータス画面では確認できず、バトル時限定で反映される。 専用スキルの恩恵は高レアリティほど大きいが、高レアリティほど撃破前提の戦術は中々組み込みにくい。編成のレアリティや順番はよく考えよう。 現状「シュメッターリング三人RRR編成による撃破即攻撃系アクティブスキル発動で失ったジェムを回収する」のルーチンが単純明快かつ強い戦法か。 実質爆弾戦法だが、強力なアクティブスキルを高回転で回せるのはこの神姫にしかできない戦法なのと、膨大なBST値で相手のミスを狙いやすいのとでシステムとステータスがマッチしている。 ただいくら撃破されること前提とはいえ、回数を重ねるほど当然リカバリーしないといけないジェムの量も増えるのをお忘れなく。ご利用は大切に。 また、アクティブスキルに大きく依存しているため、一回の発動で回収しきれなかったりそもそも発動すらできないとなるとかなり状況が悪くなる。バフ・デバフ系スキルなら交代後即発動するか、直接攻撃系スキルならLPが半分になる前に確実に当てることを心掛けよう。 解放パターンはどれもバランス寄りの防御型。アイドルたるものステージ上で倒れるわけにはいかないのだ。 仮に倒れた(被撃破)としても、専用スキルで直ぐに場を持ち直しやすいと考えれば、転んでもタダでは起きない彼女らしいスキル構成だと言えよう。 + 一方レイドボスバトルにおいて、その特性は一変する… レイドボスバトルのオンラインモードは、交代時間が通常のジェムバトルよりも約五倍程度と長めに設定されている。 これを専用スキルで大幅に短縮できる上、死神の鎌が苦手武器ではなく、更に回復・補助武器は得意と、彼女のレイド適性は実はすさまじく高い。 クリアが難しいと思っているマスターは是非彼女をプロデュースしてみよう。 これまでのレイドボスバトルにおける攻略手段を、以下に列記する。 + (シーズン1で開催されたレイドについては、こちらを参照) 第一/第二回においては、白兵攻撃ならば通常武器なら出が早く補正も入るロークがお勧めだった。イベントアイテムまで選択肢に入れるなら、アクティブスキルが強力な近接15th武器や死神の鎌、金ヴァル剣などを使って相討ち上等のごり押し戦法に走る(この場合、上記のRRR編成が望ましい)か、補正の入る回復・補助武器で他プレイヤーの回復役に徹し続けるのが最適だったようだ。 対バグに有効とされる15thイベント装備の片手ライトガンは得意武器で火力も充分なものの、悉くリロードが遅過ぎるため手数不足に陥りがちであった。 アクティブスキルについては「死出の旅(死神の鎌)」が有効。もし死神の鎌を持っていないなら「状態異常スタン」または「チャーミークリアボイス」がオススメ。闇神姫や青ツガル相手ならよく刺さった。 オメガが出てきた時は…まあ雑魚たちの足止め程度にはなるので、やっぱり有効ではあったか。 第三回においては、「状態異常スタン(またはチャーミークリアボイス)」がボスにガードされて刺さりにくい等、必ずしも上記の通りとはいかなくなったが、その一方で超特効武器のパウダースプレイヤー(片手ライトガン)とハンマーシード(片手打撃武器)、そして環境武器のバリスティックブレイズ[RW]までもがすべて彼女の得意武器にあたるため、実は対バグの頃より全体的に立ち回りやすくなっていた。 アクティブスキルは相変わらず「死出の旅(死神の鎌)」安定。なければ「攻撃スピードダウン」や「防御力ダウン」が有効だった。 また、前述した「状態異常スタン(またはチャーミークリアボイス)」も、基本的に俊足なレイドボスに対して足の遅めなこの神姫で追い着く、あるいは雑魚の足止めを図るために使う分には比較的有効だった。 第四回においての基本的な立ち回りは、第三回の時と実質大差はなかった。 前回猛威を振るったバリスティックブレイズ[RW]こそ下方を喰らったものの、雑魚エラー相手には依然として充分な威力だし、それでもボス対策に不安を感じるのであればその他の[RW]武装に持ち替えておくと良かった。 あとはパウダースプレイヤーをフレグランスキラーに、ハンマーシードをアレルギーペタルに持ち替える必要があったくらい。ステクロ装備は対エラー威力こそ絶大なものの、15thイベント装備と同様リロード性能が壊滅的なので、この神姫であえて使う必然性は少ない。 ただしアクティブスキルについては、死神の鎌や「全員攻撃スピードダウン」を反射してくるナイトミラージュへの対策として使い分けを図る必要はある。その場合は「攻撃スピードアップ」や「状態異常スタン(またはチャーミークリアボイス)」が有効だった。 第五回においては残念ながら近接武装で特効が取れる得意武器がなく、得意を切るか特効を切るか選ばざるを得なかった。得意武器ならローク辺りが隙が少なく火力もまずまず出た。 特効武器ならサメバルーン(ピンク)が得意武器かつスキルゲージが溜まりやすいので最適解に近いが、そもそも「サマーミラージュからのドロップ限定」という最大の問題があった……。 遠距離武器はうまい棒 コーンポタージュ味が小回りが効いて扱いやすい。R限定だが12円(税込)で実物を買えば即用意出来る点も評価出来る。 今回はオンラインレイド初級の通常枠がナイトミラージュになっている為、スキルをデバフに固めないよう前回以上に注意が必要だった。尚、上級ならドロシーかサマーミラージュの2択なので問題ない。 第六回(復刻レイド)においても、やはり近接武装及び遠距離武装でこの神姫が特効を取れる得意武器が過去のイベントやレイドでの入手武器ばかりになっており、元々の火力のなさと相俟って“特効+得意で火力を出す事”自体がより難しくなってしまった。 青ツガルや黒花種、ミラージュ達相手ならば良いとしても、「状態異常スタン」が通じないオメガが相手だと、火力が低いこの神姫は殊更不利になりやすい。 ただ、この点はゴールド武装や15thストラーフ・ジュビジーB・ジルダリアBといった武装の[RW]武器を織り込んで火力を補うという対策も、一応なくはない(結局これらも殆どが過去イベント・レイド入手武装なのだが、同時期に復刻された15thストラーフ武装ならば、入手性の面でより確実だろう)。 もし幸運にもサマーミラージュ武装(サメバルーン及びバスターシュリンジの各色)を持っているなら、スキルゲージ上昇に恩恵のあるPink ver.が“特効+得意”を活かす上で特にオススメ。 ちなみに死神の鎌やバリスティックブレイズ[RW]は今回防御力までもが下方されたが、もともと防御が薄くボス相手にはあっという間に落とされがちなこの神姫の場合は然程問題にならないので、手持ちにあれば積極的に使っていって良い。 これらの装備で固めた上で、態と落とされてスキルゲージを一杯にする事を前提としたR-R-R編成による「全員攻撃スピードダウン」または「死出の旅」連発戦術が、ナイトミラージュのいない今回はかなり有効となる。 ちなみに告知画面には堂々と出演しているものの、特に何がしかフィーチャーされているという訳でもないという、嘗ての不遇ぶりがここに来て再燃してしまった感すらある。 バトロンに登場したイリーガルシュメの出番だったら良かったのに。 続く第七回においても第五~六回での問題は根強く残っているが、逆に言えば必要な事はまったく同じ。更に言えば、オメガやナイトミラージュのような相手がいない事は幸いとなる。 ただ、耐スタン能力が高めなストラ相手にスタンを狙うのであれば、スタン補正つき武器で殴るよりもガードの隙を突いてスキルで攻めるのが良いだろう。 もっとも、ミラージュ相手の時含めて「全員攻撃スピードダウン」または「(死神の鎌による)死出の旅」連打戦術の方が、相変わらず有効な訳なのだが……。 第八回ではバニーミラージュが「全員攻撃スピードダウン」を、更に続く第九回ではフレッシュミラージュが「死出の旅路」をも反射してくるという全力のメタ張り対策を取って来たため、実質的には「攻撃スピードアップ」以外に選択の余地がほぼなくなってしまった。 それも、あちらのデバフから後出ししたところで此方の方が有効時間が短くなっている上、元々攻撃力のないこの神姫では火力を恃んだ力押しをしたところでたかが知れているのも苦しいところ。 更に、シーズン2に入って以降公式からレイド特効装備を公開する事がなくなったため、この神姫の決して多くはない得意武器ジャンルの範囲内でアセンを模索していかざるを得なかったのだが、第九回でのみ猛威を振るったティファレトロッドが比較的扱いやすい部類だったのは、せめてもの救いか。 実質第二回の復刻にあたる第十回~第十一回では、基本的には当時とほぼ同じ戦術に立ち返るのが妥当だろう。 死出の旅路をはじめ、状態異常スタン系(ただしオメガに通じないのは相変わらず)や全員攻撃スピードダウンといったスキルを反射してくるボスがいないため「搦め手のスキル主体で戦い抜く」という選択肢がやっと戻ってきた。 もちろん、それは「プレイヤー側にボスアタッカーがいてくれる場合」に限定されるため、共闘相手にそれが期待できなかったりソロ状況を強いられたりした場合等にも備えて、相応の武装で対応していきたい。 時を同じくして復刻された15th記念装備の他、歴代ボス装備やうまい棒/ちくわ、(若干リロードが重たくなるが)ステクロ武装で立ち回るのが比較的有効。まあほぼ全部イベントまたは期間限定入手なのが辛い所なのだが… 特にシーズン2で実装された一部リペイント神姫達の武装については、恒常ドロップとなった分入手しやすくなったのがとてもありがたいところ。 なお、この神姫元々の攻撃力の低さから、対レイド特効装備で固めなければなかなか有効なダメージが出せないという点にも注意が必要。 可能な限り、個体値を厳選(攻単1Vまたは5V、出来れば低レアリティ6V)して臨みたい。 ちなみに全神姫にチャーミークリアボイス用ボイスが収録されていたりする。 腕装備と足装備をこの神姫用の武器付き武装にするだけで出来るので、もし時間があれば好きな神姫のチャーミークリアボイスを聴いてみよう。 神姫攻略法 圧倒的BST値による追撃は、一部の高機動神姫(フブキやミズキ等)以外では逃げ切るのはほぼ不可能。諦めて常に相手し続けるしかない。もちろん追いかけるのも不可能に近い。 一番気をつけたい流れはアクティブスキルによる形成逆転→がん逃げ戦法。とにかく絶対にアクティブスキルを受けないようにしたい。 アクティブスキルさえ凌げば一気に脅威は少なくなるが、だからといって即攻撃、まして撃破は非推奨。再度アクティブスキルを凌がなければならず、相手の思う壷。ただ無視もできないので、適度にダメージを与えて相手の撃破タイミングをコントロールしたい。 ただここまでは実質タイマンでの立ち回りで、実際のバトルでは自分とシュメッターリング以外にも敵がいる。 相手がシュメッターリングの対策を取れているなら良いがそんなことはまずないので、当然自分の思った試合展開にならないのは覚悟しよう。 理論上ほとんどのアイドル(神姫)はシュメッターリングと同じステージ(土俵)なので、どちらがセンターでどちらがバックダンサーか分からせてやろう。 お迎え方 稼動開始(2020/12/24~)から神姫ショップに登場 アップデート履歴 日時:2021.10.06 内容:回復・補助の補正率を30%→60%に増加。 日時:2021.6.28 内容:神姫個別調整で遠距離攻撃のダメージを軽減できるように。 次の神姫への交代時間をさらに短縮(1/2→1/3)、バトル出撃中ブーストゲージの最大値が1.2倍になる効果を追加。 日時:2021.4.27 内容:「片手打撃武器」の補正率調整 日時:2021 内容:「格闘打撃武器・両手打撃武器」の補正率調整 格闘打撃武器・両手打撃武器の苦手補正が消えたため修正、タイミングは不明 (↑2021.07ステータスの武器補正表示がされるようになった時には修正済みである事を確認) コメント レイドで回復+[RW]試してみたけど意外と楽しい。補正のお陰で[RW]の威力は高いし、何なら緊急時には回復の方でも一応殴れる程度には火力あるし。ただタゲ変が忙しいのが難点だが… -- 名無しさん (2021-12-18 22 44 25) レベルごとのタッチの反応を更新したのでテンプレを置いていきます -- 名無しさん (2022-07-31 15 22 47) 名前 コメント
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「…慎?…しーん?…おーい」 …あ?誰だ? 「…風邪ひいちゃうよー?ちゃんと布団で寝ろー?」 ぺちぺちと軽く頬を叩かれる感覚。それとなんだか懐かしい声。 思い浮かぶは懐かしき青春時代。 嗚呼、あの頃の君はポニーテールのよく似合う… 「せいっ!」 「ほグッ!」 …鳩尾に重いのが来た。 「起きた?」 「…ウス」 むせながらもどうにか返事を返す。 一瞬前に思い浮かんだ思い出のあの子は、いつの間にやら見馴れた旧友の顔になっており、かつて始発電車が動くまで人間について語り合った新宿3丁目の狭いディスコティックは、気付けば見飽きただだっ広いオンボロ木造平屋建てとなっていた。 「あー。俺また寝てた?」 「寝てた。すげー寝てた。ジュリちゃんがケリ入れても寝てた」 それほどか。そういやなんとなく頭が痛い。ピンポイントで。 「ってジュリ?」 「あれ?さっきまでその辺にいたんだけどな…アイリちゃん知らない?」 見馴れた旧友こと縁遠は、足元の人影に声をかけた。 15センチほどの女性を象った人形に見えるが、その実体は感情豊かな小型ロボット。 一般的には「武装神姫」だの「MMS」だのと言われている、オーバーテクノロジーの塊だ。 当然ながら、一体につき高性能なコンピュータフルセット並の値段が付いたシロモノなんだが… 何故かうちには何体もいたりする。理由は後述。 「なぁ縁遠、ひとつ聞くが」 「ほほぅなんだね慎之介クン」 俺は足元のアイリらしきものを指差し 「コレがアイリか」 「他にどう見えると」 ちょっと考えてから妥当な単語を挙げてみる 「フリルの塊」 「ふむ。まぁ間違ってないかな」 「…なんかあたし馬鹿にされてる?」 フリルの塊から憮然とした声が出た。 「新しい子がいると思わなかったから用意してなくてね。有り合わせで結構考えたんだけどねぇ。髪の色に合うように、とか」 確かに。彼女のくすんだ赤毛に程よく合う色ではあると思うが、なんというか。 「あれだホラ、南北戦争時代のアメリカの田舎貴族の娘」 「おお。言われてみればそれっぽい」 「…やっぱ馬鹿にしてんでしょあんたら」 フリルが大量に付いた大仰なドレスを着ている彼女、名をアイリーンという。 砲台型フォートブラッグと言われるタイプで、髪の色といいそばかすの浮いた顔といい、まさしくアメリカの田舎娘的な顔立ちをしている。 ただ、彼女に限り通常の仕様よりも若干目が細いせいか、微妙に東洋系とも言えるが。 三つ編み糸目に、ドジョウヒゲと額に「中」の字が揃えばまさしくアレに見えるのがチャームポイントであろう。 言うと洒落にならない力で殴られそうだから黙ってるが。 …そういえば顔の落書きが消えているな。 「まあいいけど…で、何?ジュリ姉?その辺にいない?」 「あ?呼んだか?」 ひょこっと扇風機の陰から真っ赤なタテガミが、もとい、真っ赤なタテガミの神姫が顔を出した。 コイツが先述のジュリこと正式名ジュリエット。 タイプは侍型紅緒。純和風な顔立ちと、恐らくは改造によるものだろう、ライオンのタテガミのようなヘアスタイルをしている。 色は鮮やかな赤。ぶっちゃけハデさは否めないが、本人は気に入っているようだし、俺も慣れた。 元は俺が購入したわけじゃないんだが、その辺も後述。 ちなみに服装は金糸で龍の刺繍がされた黒いチャイナドレス。赤いタテガミと相まっていい味を出している。 体のラインが出るほどのタイトさに加えて、深く切れ込みの入ったスリットがまたなんとも… 「いや違ぇよ。そこじゃねぇよ俺」 「なにがだ」 いかん。寝不足がだいぶキているらしい。 「てゆか何やってんだお前」 「パットがまた迷ってたんだよ。危なっかしいから連れてきた」 「で、そのご本人は」 「そこで眠ってる」 なるほど。扇風機の陰にはシンプルな水色のワンピースを着た天使型アーンヴァルのパトリシアが横になって… 「待て。いつ着せた」 「せっかく色々あったからな。アタシらだけ着せ替え人形ってのも不公平だろ」 「ふぅむ、ベリーショートだからボーイッシュな方がいいかと思ったけど、こういう女の子してるのもいいねぇ」 「ま、過剰包装ばかりが華じゃないってことでしょ。ねぇどーでもいいけどコレ脱いでいい?暑いし動きにくいんだけど」 ぎゃーすか周りで騒いでいるが、一向に目を覚ます気配を見せないパトリシア。 暢気な眠り姫は一体どんな夢を見ているのやら。 っと、説明が遅れた。俺の名前は都竹慎之介。売れない物書きをやっている。 住んでいるのは、俺が祖父さんから遺産として土地ごと譲り受けた、東京は西の端にある木造平屋建ての年季の入った一軒家。 ここがまた不思議なことに野良神姫…世間一般で言われる「イリーガル」と呼ばれる連中がやたらと集まってくるのだ。 …当初は偶然だろうと考えていたが、約一年で十数回も同じことがあればさすがに普通じゃないだろう。 噂を聞いてわざわざウチに捨てにきた奴までいたくらいだ。無理矢理持って帰らせたが。 先ほどのアイリーンやジュリ、パトリシアや今家にいない猫型マオチャオ三体も一応我が家の住人なのだが、全員元はどこかから流れてきた連中だ。 しかも一時期は倍以上の数がいたこともあった。 そのほとんどは、神姫関係のサテライトショップを経営している古い友人の縁遠を経由して里子に出した。 ある程度の社会復帰可能なレベルまで、指導やら教育やらをしなければならなかったのがちょいと面倒ではあったが…まぁ安易にリセットしてしまうよりかはマシだったからな。 先述の通り、本来それだけの数が揃うのは金額的に無茶である上、イリーガルなどと呼ばれる以上基本的に合法とは言いがたい。 当然のことながら、全員正規の製品からすればどこかしらの問題を抱えている。 それでも、接し方さえ考えればあまり気になるレベルではない。 一番の問題は連中の充電用の電気代くらいだろうか。 なお我が家は、不本意ながら一部で「神姫長屋」などと呼ばれているらしい。 これはそんな不思議な家で繰り広げられる、不思議でもなんでもない連中の日常を綴ったお話。 御用とお急ぎでない方は見ていってくれるとありがたい。
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{ルーナと沙羅曼蛇} クリナーレとパルカと一緒に走り続けながら次の場所に向かう。 両足の血液循環が早くなり心臓もバクバクと動く。 肺は酸素を欲しがりフル活動。 ヤッベェ、もう疲れてきちまったぜ。 「お兄ちゃん!あのシャッターて、もしかして!!」 パルカが言う先を見ると廊下の右側に大きなシャッターがあった。 パルカやクリナーレと同じ形に大きさも同じ。 違うと言えばデカデカと、シャッターに『Two』と書かれていたぐらい…。 いや、違う! シャッターが開いている! これはいったい何が起こったのだろうか。 俺達が来る前にシャッターが開いてるという事は…まさかすでにルーナは破棄されたのか!? クリナーレとパルカを援護させながら俺はシャッターに向かって走り中に入る。 「ッ!?…ヒデェ…」 シャッターの部屋の中は酷い惨状だった。 人間の死体がテンコ盛りだったのだから。 ある死体は内臓を地面にブチ撒き倒れていたり、またある死体は手足が無かったり頭が無かったり。 他にも酷い死体は腐る程あるが、これ以上の説明は不要だ。 しかしこれはいったい誰がヤッたのだろうか。 ウッ、あまりにもグロテスクだから気持ち悪くなってきた。 「あたしがヤッたんですわよ、ダーリン」 「その声はっ!?」 突如声がしたので聞こえた方向を見ると、そこには二刀のレーザーブレード持った血塗れのルーナがいた。 よかった…無事だった。 でもまさかルーナがこの死体の数分をヤッたというのか。 本人はそう言ってるし…本当にブッ殺したのだろう。 いや、これは『殺し』というより『皆殺し』『残虐』『殺戮』と言った方が正しい。 武装神姫一体でここまで人間を殺す事が出来るのは無理ではないのだろうか…。 やはりツバァイとしての能力かもしれない。 これでルーナが今までバトルした時に余裕綽々で闘えていた事に納得がいく。 でもここで一つ疑問が起きる。 クリナーレ、パルカと同じく拘束されていたはずだ。 いったいぜんたいどうやったのだろうか。 「あたしはシャドーと同じ能力がありますの。レベルは中の下ですが」 「シャドーと同じ…あ、そういう事か!」 ルーナに言われて解った。 シャドーというのはシャドー=アンジェラスの事で、能力が同じという事はネットワークシステムを支配できるという事になるのだ。 シャドーはそーいう能力があるのは知っていたが、まさかルーナにも出来るとはな。 そしての能力を使って自力で大きな試験官から脱出し、敵である人間を殺しまくったということだ。 「お前、滅茶苦茶に強いんだな」 「アインお姉様に比べればこの程度、ヒヨッコ並みのレベルですわ」 俺は右手の手の平にルーナを乗せて近づける。 血塗れになっている体を左手で拭き取ろうとしたら、ルーナが人差指に抱きついてきた。 「おいおい、抱きつかれた吹けないだろうが」 「嬉しいんですわ。ダーリンがあたしを助けに来てくれた事が…」 「当たり前だろ。それにクリナーレやパルカもいるぜ」 「あら、それは朗報ですわね。アンジェラスお姉様は…まだのようですわね」 そりゃそうだ、まだアンジェラスを助け出していないのだから。 でもこれで三人目を助け出すことができた。 しかもアンジェラスの次に強いルーナだ。 これでアンジェラスの所まで難なく行きそうだぜ。 「それは期待できなそうですわ、ダーリン」 「えっ!?それはいったいどいう」 俺が言い切る前に突如とルーナの姿消えた。 そしてルーナが消えた同時に後ろから人間の叫び声が聞こえた。 声が聞こえた方角はシャッターの外。 俺はすぐさまシャッターの部屋から抜け出す。 すると。 「沙羅曼蛇の舞!」 <…燃やし…尽くす> ルーナが武装した人間を燃やし殺していたのだった。 沙羅曼蛇の舞とは、使用者の神姫の周りに炎渦が取り囲み、神姫そのまま状態で蛇のように突進し、敵を斬刻む攻撃。 さらに火炎の炎によって敵を斬刻むだけではなく火傷させる自動追加攻撃がる。 通常攻撃の場合はある程度相手距離を保ちつつ、隙あらば一気に敵の懐に飛び込み近接攻撃する。 因みに剣を振るたびにレーザーみたいな炎が飛び出すので飛び道具としても使える。 ただしこのワザはかなり体力を消耗をするので普段は使わない。 でもルーナはなんの躊躇い無く攻撃した。 しかも人間に対して。 攻撃を受けた人間は死ぬか炎によって燃えながら焼死していく。 ウッ、人間の体が焼けた匂いが鼻につく。 イヤな匂いだぜ。 ていうか、いつのまに沙羅曼蛇を装備していたんだよ。 消えると同時に俺から奪ったとしか考えようがないがな。 「…フゥー。これであらかた片付きましたわね」 「ルーナ、お前…」 一息をついてるルーナに近寄るとルーナは苦笑いした。 「あたしは簡単に人間を殺すことができる神姫ですわ…気持ち悪いですよね…」 俯き悲痛な声だった。 どうやら俺が人間を殺す神姫が嫌い、だと思っているみたいだ。 いつも人をチョッカイだして笑うルーナがこんな風になるんなんて。 心境的に辛いのだろうか。 でも俺が応える言葉はハナッから決まっている。 「ルーナはルーナだ。例え人間をブッ殺す神姫だろうが、俺はルーナの事が好きだ」 「ダーリン…」 「それにシャドーみたくむやみやたらに人間を殺さないだろ。ちゃんとした常識があるんだからルーナの事を嫌ってりしないぜ」 俺は右手をサムズアップして、いつものニヤリ顔をルーナに見せる。 するとルーナは俯きから顔を上げて。 「あたしはダーリンにこんなにも愛されて…幸せ者です!さぁ、行きましょっ!!アンジェラスお姉様がいる所へ!!!」 ルーナが元気よく先導する。 どうやらルーナはいつも通りのルーナに戻ったようだ。 そして俺は戦闘に疲れきったクリナーレとパルカを胸ポケットに入れルーナの後を追う。 後は残り一人! 待ってろよ、アンジェラス! 「(c) 2006 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.当コンテンツの再利用(再転載、再配布など)は禁止しています。」